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縄文時代中期の集落跡”縄文ムラ”を訪ねよう~山梨県北杜市明野町「梅之木遺跡公園」

水月

水月

山梨特派員

更新日
2022年8月8日
公開日
2022年8月8日
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こんにちは~北杜・山梨特派員の水月です。

2018年のオープンのときに取材した「梅之木遺跡公園」へ行ってきました。山梨県北杜市明野町の南アルプス連峰が迫るように望めるロケーション抜群の高台にあるんですよ。

八ヶ岳も、きれいに見えていますね。

ここ「梅之木遺跡」は、約5000年前の縄文時代中期の環状集落跡。「住居跡150軒ほどからなる居住域」と「隣接する湯沢川沿いの生活痕跡」および「居住域から湯沢川へ通じる〈縄文の道〉」が発見され、2014年3月18日に国史跡に指定され、史跡公園として公開されている特別な場所なんですよ。

さて。オープンから4年が経ち、「梅之木遺跡公園」はいろいろと進化していました。まず、4つの竪穴式住居ができていて、現在5つ目の建築準備に取りかかっているそうです。広場を中心に円を描くように住居が並ぶ「環状集落」は、この5つ目の住居で完成する予定です。

「竪穴式住居」とは、地面を広く掘りすぼめ屋根をかけた形の家です。住居の中からは柱穴や四角く石を置いたいろりのような炉が発掘されたといいます。

さあ、その竪穴式住居に入ってみましょう。

おお! 広々として、居心地がいいスペース。なるべく当時のものを再現しようと建築素材はもちろんのこと、道具も手作り。石斧で木を切り、木の皮で編んだ箕で土を運ぶ。そんな時間と手間をかけて作られているんですよ。飾られている敷物も植物の茎で織ったもので、衣装なども作っているそうです。

ひとつの住居には、発掘された土器を再現したレプリカがいくつも並んでいました。

縄文時代の暮らしを体験してもらおうと、土器を使った料理や滞在ができるよう今準備を進めているそうです。「深鉢」と呼ばれる鍋に使われるも土器もたくさん焼いてありました。

再現した炉と深鉢のレプリカです。料理するお鍋にしては深すぎないかと思っていたんですが、こうして直火にかけるといちばん熱の伝導効率よく調理できる形がこれなのだとか。縄文時代の人々は、日々の暮らしのなかで使いやすい調理器具を作ろうと模索していたんですね。

こちらは本物の「遍照精霊土器」です。上の写真にもレプリカがありましたね。

ここ「梅之木遺跡公園」は、御朱印を集めながら縄文時代の土偶や土器を訪ねて鑑賞してもらう「三十三番土偶札所巡り」のひとつにもなっています。

御朱印です。「遍照精霊土器」は15番になります。

御朱印を集めながら、それぞれ特徴があって味わい深い土偶や土器を見て回るのも楽しいですよ。

夏休みも中盤。そろそろ秋の風が吹いてきた北杜市明野町の「梅之木遺跡公園」。

およそ5000年前ここ「梅之木遺跡」では、500年にわたり人々が暮らしたと考えられていて、集落周辺は、栗、胡桃、コナラ、クヌギなどの森林だったこともわかっています。

木の実は、田畑を耕すことを知らない縄文時代の人々にとって大切な栄養源。あく抜き不要な栗や胡桃は主食になっていたようです。木の実を食べ、狩りをする。いったいどんな暮らしだったのでしょう。

ここに立って山々を見渡し、竪穴式住居のなかをじっくりと見て、川へ下る〈縄文の道〉を歩き、木々や鳥たちの声を聴き、遙か昔、縄文時代に思いを馳せてみませんか。

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■梅之木遺跡公園

・入場無料

・住所:408-0201 山梨県北杜市明野町浅尾6315

・問い合わせ先:埋蔵文化センター 0551-25-2019

*詳しいお話など聞きたいという方は、事前にお問い合わせください。

・北杜市埋蔵文化財情報WEB URL:史跡梅之木遺跡

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