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フランスの政府観光局のような役割を担っているフランス観光開発機構が、「あなたのフランスはどんなところ?」と題したアニメを公開しました。ポストコロナのフランス各地の魅力について、日本のアニメ制作会社「studio daisy」に依頼して制作した、アニメによる観光プロモーションです。
アニメでは、主に3組の旅行客(カップル、若い女性グループ、孫娘から祖母まで3世代の家族)が主人公。彼らの旅の様子が表現されています。
今回アニメ内で焦点を当てられたのが、モン・サン・ミッシェルなど日本人にも人気な観光地を抱えるノルマンディー地方、フランス王家ゆかりの城が並ぶサントル・ヴァル・ド・ロワール地方、伝統とモダンが融合して変革を遂げ続ける首都パリ、そして昨年パリで再オープンした老舗百貨店サマリテーヌです。
制作には『夜桜四重奏』『夜の国』の、りょーちもさんが監督を務め、演出は清水理央さんが担当しました。今回の作品について、りょーちもさんは「フランスと日本を繋ぐステキな旅に出かけてもらえるそんな映像にしたくて、優しくてステキな仲間と一緒に作りました。見てもらえると嬉しいです」とコメント。清水さんは「日本の人にとって、一般的に思い浮かべる日本のアニメーションとは違った、目を引く新しいビジュアルである一方、フランスはじめ日本の文化外の人からは、日本のアニメーションらしい可愛さが感じられるものとなっています」と述べています。
音楽は、ドビュッシーの『アラベスク第1番』の主旋律をモチーフに展開。耳馴染みのあるメロディーからエレクトリックなサウンドまで、いろいろな音を詰め込み、一度耳にしたら気になってしまい、また曲自体の弾みのあるノリで、旅にいきたくなるようなリズムになっています。
▲パリのモントルグイユ通り
各シーンは、アニメの映像をできるだけリアルにするため、各シーンの背景は実際に現地で撮影された写真をベースにして制作されました。制作スタジオがフランスを訪れてのロケ撮影ができなかったため、現地での撮影班に撮影する際のカメラの高さ、画角や構図まで細かく指定して細かく撮影したそうです。
また、それぞれの場所の地理や空間を把握し、実際に人物がいた場合の見え方を検証。いくつかの場所では、パートナーの協力の下、スタジオと現地をオンラインで繋いでのロケ撮影を実施しといいます。
■ノルマンディー地方
ノルマンディー地方はパリから列車で気軽にアクセスできるエリア。ルーアン旧市街の街並み、緑溢れ牧歌的なペイ・ドージュ、そしてモン・サン・ミシェル湾の干潟を素足で散策など、多様な体験ができます。ノルマンディー地方の特産物も紹介され、アニメではカルヴァドスの蒸留所を見学しています。ワインだけではない多彩なお酒文化がフランスにはあります。
– ノルマンディー地方までの列車旅
– ルーアンの歴史地区
– モン・サン・ミッシェル湾
– ペイ・ドージュ
■ロワール地方
ロワールの魅力は定番の古城巡りや庭園、ワイナリーとブドウ畑です。アニメ内ではロワール地方の3つの城を紹介。シュノンソー城のアーチ橋をカヌーでくぐる水上ピクニック、自転車でめぐるロワール散策など、定番スポットを少しひねった角度から紹介しています。そして幾何学模様が広がるフランス式庭園はヴィランドリー城のもの。この庭園は農薬や化学肥料を一切使わず、庭師によって丹精込めて作られています。
▲シュノンソー城でのカヌー
▲ヴィランドリー城と庭園
– ロワール川サイクリング「ロワール・ア・ヴェロ」
– アンボワーズ城
– シュノンソー城
– ヴィランドリー城と庭園
■パリ
パリでは、フランスに行ったことがある人なら定番のチュイルリー公園、モントルグイユ通りの商店街、エッフェル塔などが登場します。ポストコロナでぜひ訪れたい、ピノー・コレクションを収めた現代アートの美術館ブルス・ド・コメルスや、パリでもっとも活気ある地区と言っても過言ではないラ・ヴィレット、同地区に建つジャン・ヌーヴェル設計のフィルハーモニー・ド・パリが登場します。ナイトライフは、セーヌ川に浮かぶバーになっている遊覧船ロザ・ボヌールも出てきます。そしてショッピングは、長い年月をかけて改装された今もっとも注目度が高い百貨店サマリテーヌです。
▲フィルハーモニー・ド・パリ
▲サマリテーヌのポン・ヌフ館
– チュイルリー公園
– ヴィレット公園とフィルハーモニー・ド・パリ
– モントルグイユ通り
– ブルス・ド・コメルス
– セーヌ河岸(セーヌ川に係留されている遊覧船、ロザ・ボヌール)
– サマリテーヌ
旅行は誰と行くのか、いつ行くのか、どこに行くのかで、同じ場所でも景色がいろいろと変わります。アニメを見ながら、近い将来のフランス旅行計画に思いを馳せてみるのも良いかもしれませんね。