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2024年にパリで開かれるオリンピックおよびパラリンピックまで、あと2年です。来るべき2つの大会に向けてパリ市内でも節目の時期に関連イベントが開かれています。
▲バスティーユ広場で開かれたパラリンピックの日の様子
今月2022年10月はいくつか動きがあり、5日にはオリンピックのマラソンコースが発表されました。経路はまず、パリ市庁舎を出発しヴェルサイユ宮殿の側など市内中心部を通った後、セーヌ川を右岸沿いに西へ。ヴェルサイユ宮殿で折り返して、今度はセーヌ川の左岸を東へ上りながらエッフェル塔などを通ってアンヴァリッドの前でゴールします。
▲2024パリ大会のマラソンコース
シャンゼリゼ大通りは通りませんが、コース各所でパリの有名スポットが散らばっており、選手の走りを追っていくとちょっとしたパリ観光になります。
同じく今月8日には、パリ市内のバスティーユ広場で第1回目の「パラリンピックの日(Journée Paralympique)」が開かれました。同イベントでは、車いすや義足などの体験や、それらを使ったパラスポーツの体験、またオリンピックやパラリンピックのアスリートたちが来場し、市民と交流しました。
たとえば、車いすを体験できるコーナー。車いす移動の大変さは、健常者にとってある程度のイメージはできますが、実際にどれくらい大変なのかは乗ってみないと分かりません。人工的に作られた段差のある道を実際に車いすに乗って体験します。
車いすバスケットボールを体験できるコートもあります。子供向けには、小さなバスケットゴールを使ってシュートの練習ができる場所が設けられていました。
会場に設置された長い陸上レーンでは、義足での走り幅跳びのデモンストレーションを開催。両脇に市民が見学する中、片足義足と両義足の選手が見事なジャンプを披露しました。
選手たちとの交流会も開かれました。2020年パラリンピック東京大会で女子C5パシュート個人で銅メダルを獲得したフランスのマリ・パトゥイユ選手のサイン会では、多くの人が列を作ってパトゥイユ選手と話したり交流を深めていました。
▲サイン会で市民と交流するパトゥイユ選手
これらフランスでのパラスポーツの扱い方を見ていてとても感じるのは、健常者スポーツとの対等さ。私たちの心のどこかには、パラスポーツを下に見たり、パラリンピックをオリンピックの付属物のように思う気持ちがあるかもしれません。フランスでもそのような見方をしている人もいるかもしれませんが、イベントのスタンスや会場の雰囲気を見ていると、パラリンピックの種目のところにオリンピックの選手が混ざって交流していたりと「オリンピック」や「パラリンピック」という枠組みを感じさせない交流があります。また2024年の大会では、初めてオリンピックとパラリンピックのロゴが共通となりました。
大会まであと2年。今ある雰囲気がさらに醸成され、それが現地を観戦で訪れる人やメディアなどを通じて世界に伝わればいいなと思います。