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パエリアやタパスはもちろん、普通の家庭料理がバルやレストランで出されています。現地で試していただいたタパスはぜひ日本でも作ってみてください。代表的なスペインの郷土料理・家庭料理の特徴と作り方をお届けします。
地中海沿岸地域のバルで食べられます。トーストしたパンの上にトマトを塗り付け、オリーブオイルをかけて塩を振るだけ。凄く簡単です。カタルーニャでは、トマトを塗る前ににんにくを擦り付けます。このパンの上に生ハムをのせて食べるとさらにおいしい。カリッとしたパンとジューシーなトマト。塩でトマトの甘みが引き出された上に良質のオリーブオイルの香りが合わさります。バゲットで試してみてください。
にんにくとパンのスープに溶き卵を流し入れてかきたまにしたものです。
最近よく日本のウェブサイトやガイドブックで取り上げられているのを見て、筆者も好きなので納得です。意外かもしれませんが、スペインではこのスープは質素な料理の典型とされています。食欲のないときや身体を温めたいときに作りますが、スペイン人にとっては倹約料理です。
レストランの前菜に入っていたりするので、帰国前にぜひ本場の味を試してみてください。ちなみにラム肉のローストで紹介したお店、Posada de la Villaの「ソパ・デ・アホス・コン・ウエボス」は9.5€です。(値段的にはすっかり倹約料理ではなくなっていますが…)
フライドポテトの上に黄身が半熟状態の目玉焼きをのせたもの。ポテトのほかに生ハムがのっていたり、ベーコンやチョリソやチストラといったソーセージ類が添えられていることもあります。私はスペインに来て、はじめておいしいジャガイモとそうでないジャガイモがあるのを知りました。自身の直感を信じておいしいジャガイモを出す店を当てて半熟卵とのハーモニーを味わってみてください。
この家庭料理をレストランで出し始めたのが、シラスウナギ(アングーラ)でご紹介した老舗レストランのCasa Lucio(1974~)、その向かい側にあるLa Taberna de los Huevos de Lucio (2001~)はLucio氏の息子達の経営する店です。
起源はスペイン南部で、アンダルシアのは、「ガスパチョ・アンダルス」と言い、特に夏は国中どこでも飲まれています。レストランの夏季の前菜に入っていることが多いです。使う野菜はトマト、きゅうり、ピーマン、にんにくそして玉ねぎです。
赤ワインか白ワインかカヴァ(スペインのシャンペン)にサイダーを入れ、オレンジ、レモン、リンゴなどの果物を切って入れます。夏に冷たくして飲みます。
他にもスペインの一般的な料理はたくさんあります。定番のスイーツやパンの種類もご紹介します。
アーモンドパウダーと砂糖と卵だけで作られたケーキ。ケーキの表面に粉砂糖でサンティアゴの十字架が描かれています。日持ちがするのでお土産に使えます。
小さな素焼きの器に入れて冷凍しておいたカスタードクリームの上に、砂糖をかけて表面を火であぶったもの。パリパリのカラメルと冷たいクリームが絶品。カタルーニャ地方のデザートの定番です。地中海沿岸なら食べられます。
ガリシア名物のパンで、玉ねぎとピーマンで作ったソースと、詰め物はツナや肉など色々です。
薄く伸ばしたパン生地の上に、ラム肉と豚肉とソブラサーダという腸詰肉を小さく切ったもの、ときには鶏肉、あるいはツナをのせて包んだものがエンパナーダ。肉だけでなくエンドウ豆を加えたものが「エンパナーダ・デ・カルネ・コン・ギサンテス」。マジョルカ、イビサのパン屋さんでどうぞ。
アセルガスというほうれん草に似た野菜に、レーズンと松の実を加えてくるんだものが、「コカロイ・デ・ベルドゥーラ」。最近は詰め物の種類も増え、カレー味の鶏肉を包んだ「コカロイ・デ・ポーヨ・コン・クリー」も美味。エンパナーダと同じくイビサ・マジョルカのパン屋さんを覗いてみてください。
ラードを使ったマジョルカ名物のパン。カタツムリのような螺旋状の形状で、表面に粉砂糖がたっぷりかかっていて甘い。何も入っていないプレーンなものから、生クリーム入り、カスタードクリーム入り、カボチャのジャム(カベージョ・デ・アンヘル)入り、大きなサイズにはソブラサーダ入りなど種類がたくさんあります。
プレーンなもの、あるいは日持ちのするカボチャのジャムのものは、お土産にもぴったり。大きな箱を何段にも重ねて持ち歩いている人の姿は空港で珍しくありません。
ヤギ乳とハーブで作ったイビサのベークドチーズケーキ。ハーブ酒でも有名なイビサ島ではケーキにもそのエッセンスを加えるのを忘れません。
アストゥリアス、ガリシア、カンタブリア地方の有名な食事パン。パンの中にチョリソや豚バラ肉が入っています。スペイン北部へ行かれる際には、パン屋さんを覗いてみてください。試す価値ありです。
トレドで作られるマザパンはアーモンド、砂糖、卵で作るお菓子。マザパンでフィギュアを作ったりクリスマスの食卓を賑わせてくれます。
地方色豊かなスペインの料理もお菓子も、挙げだしたらきりがありません。日本ですでに有名になっている料理を本場で試していただきたいですし、日本ではなかなか食べられない食材も試してみていただきたいですし、あれもこれも紹介したいと欲が出てきてしまいます。スペインへの旅を決めたら、その地方の現地特派員のブログをのぞいてみてください。きっと地元おすすめのグルメ情報がたくさんあるはずです。どこで何を食べたという記憶は旅の思い出に一生残るもの。存分に楽しんでください。
(監修:地球の歩き方編集部)