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クリスマスまでカウントダウンのスペインでは、各地でイルミネーションがはじまり、クリスマスマーケットも出始めました。北ヨーロッパの華やかでキラキラの装飾に比べれば地味ながら、それでもやはりクリスマスのデコレーションやイルミネーションには心が躍ります。
さて、クリスマス菓子の代表といえば、トゥロンとポルボロン。トゥロンの産地として有名なのは、バレンシア州アリカンテ県の山間にある小さなヒホーナの町です。大きなトゥロンの工場があるほか、町の中にも自家製トゥロンを売る小さなお店が何軒もあります。
トゥロンにはいろいろな種類がありますが、トゥロン・デ・ヒホーナとトゥロン・デ・アリカンテがもっともポピュラーです。どちらも材料はアーモンド、蜂蜜、砂糖、卵白ですが、トゥロン・デ・アリカンテはアーモンドが丸ごと入っていてカチカチのハードタイプ、トゥロン・デ・ヒホーナは粉末状にした後に成形しているので柔らかいソフトタイプになります。写真で見た方がわかりやすいですね。かなり甘いので、意外と日本茶に合います。
ヒホーナでは毎年12月のはじめにクリスマスマーケットを開きます。今年は12月3日~8日まで。クリスマスマーケットと言っても、場所柄売られているのはほとんどがトゥロンをはじめとするスペイン伝統のクリスマス菓子です。町の中心にあるコンスティトゥシオン通り(Avenida de la Constitución)の両脇には合計100近い屋台が並びます。それ以外にトゥロン作りのデモンストレーションや子供向けのイベントがあったり、城跡観光ツアーがあったりと様々なプログラムも。暗くなるとイルミネーションが点くので、夕方に行くとクリスマス気分が盛り上がります。
なお、1584年に天正遣欧少年使節がこのヒホーナに立ち寄ってるそうです。きっとはじめてトゥロンを食べた日本人でしょうね。こう聞くと、遠いスペインにある小さな町に親近感がわいてきますね。
現地で話されているバレンシア語のナレーションですが、アリカンテ県庁がつくったヒホーナの紹介ビデオがあるので貼っておきます。最後の方にはトゥロンの製造風景も出ています。
不便な場所にあるのが難点ですが、機会があればぜひ足をお運びくださいね。