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京都も12月に入って、気温は一気に冷えて朝には霜が降りて来ました。
洛西の古刹・地蔵院です。
嵐山から桂川を南に下った西山エリアには、松尾大社に月読神社、鈴虫寺や常住寺、
世界遺産の苔寺など見どころの多いエリアでもあります。
そんな西山エリアにある地蔵院は、京都の紅葉では遅くまで紅葉が見られるところです。
地蔵院は、バス停の「苔寺・すず虫寺」から石段を上った先にあります。
小高い丘に並ぶ住宅街を少し歩くと、紅葉と竹に包まれた山門が見えてきます。
山門までは見頃を迎えた楓の木々が続いています。
見上げると、空高くのびる竹と紅葉がとてもきれいです。
ここは、幼少期の一休さんが過ごしたお寺でもあります。
「竹の寺」の愛称で親しまれている地蔵院は、1367年に室町管領の細川頼之公が
夢窓国師の弟子の宗鏡禅師を招いて建立しました。
奥に見える本堂は1937年に再建されたもので、延命安産の地蔵菩薩が本尊として祀られています。
母子像の銅板には……
「一休が生まれたこの地は、ここ地蔵院のあたりらしい。
このあたりは竹藪の深い森が多い。地蔵院も「竹の寺」と呼ばれていた。
御所を追われた母子が暮すにふさわしい場所といえよう。
縁側に腰かけていると母に手をひかれた一休が、いまにも現れるように思えてならない」
水上勉「一休を歩く」より
色づいたもみじと竹林の世界に、ただただ見入ってしまいます。
境内奥の方丈へと進むと、猪目窓のある茶室があります。
方丈前には苔むした十六羅漢の庭があり、方丈内にはガラシャ夫人の絵や、細川護煕前首相が書かれた
屏風が拝見できます。
地蔵院の辺りは山が近くて、12月の今は午後4時を回ると夕暮れが訪れます。
きっと、一休さんが過ごした約620年前の頃は、
さぞかし静かな深秋の世界が、広がっていたのでしょうね。
参道には、舞い落ちたモミジが絨毯の様です。
佳境を迎えた12月初めの地蔵院の紅葉景色でした。