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2021年オペラ地区に新しくオープンしたショコラティエ、Jade GENIN。
こちらのショコラティエ、ジャドさんは今年で若干31歳。
彼女の父、Jaques Genin 氏はパリで一番と名高いショコラティエなのです。彼がLa Maison de Chocolatのショコラティエとしてデビューした、4歳の頃からジャドさんは本物のショコラを嗜んでいます。
彼女はパリで生まれパリで育ちました。ソルボンヌ大学で法律を学び、弁護士として働いていたのです。
ですが、ショコラと離れて生きているうち、何かが足りないと気づいたのだそう。
J’ai grandi avec le chocolat. Il fait partie de moi.
ショコラとともに私は育ったの。ショコラは私の一部よ。
そこでショコラティエとして生きることを決意したのだそうです。
ボンボンショコラは転写シートを使って柄が描かれていることが多いのですが、彼女のショコラは全て手描き。
彼女がショコラに選んだのはピラミッドの形。その理由は、完成された美しさであること、そしてパリの象徴でもあるからなそうです。
確かにルーブル美術館にあるガラス製のピラミッドや、コンコルドにあるオベリスクなど、パリにはたくさんのピラミッドがあります。
店頭には常に20種類近くのボンボンショコラが並びます。全て手描きのため、一つとして同じ柄はありません。また新しい味を求めて、常に入れ替わりがあります。
週のうち5日以上アトリエでショコラと向き合う日々。
父ジャック・ジュナン氏と同じなのはそのプロフェッショナルな姿勢です。
独立後は仕入れ先も調合も全て独自に行なっているのだそうです。
おすすめのショコラは何か伺うと、その日の気持ち次第だと言います。
優しく包んでほしい時は甘くとろけるガナッシュ、エネルギーが必要な時は力強いスパイスの効いたものを選ぶのだそう。
光を受けてきらりと輝く宝石のようなショコラは、口に入れるとエキゾチックで甘美な、まるでルソーの絵画のようです。
一粒ごとに物語が感じられる、彼女のショコラはまさにアート。
芸術の街パリが彼女のショコラを生んだのでしょう。
彼女のピラミッドも、パリの象徴になる日が来るかもしれませんねとお話しすると、ふふふと笑みを浮かべていらっしゃいました。
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