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この冬のバレンシアはクリスマス過ぎまでは記録的な暖冬でしたが、年が変わると寒くなりました。私の住む町では最低気温が零度を下まわった朝も。体が冷えると、汁分のある温かいものが食べたくなりますね。
スペインにはその土地土地に地元の食材を使った煮込み料理が存在します。でも、おしゃれ系レストランや創作料理レストランが増えた今、昔ながらのおいしい煮込み料理を食べられるレストランはなかなか見つかりません。お正月に行ったバルのお昼の日替わりメニューにたまたまコシード(肉類と野菜、ひよこ豆の煮込み)があっておいしかったので、バレンシアで煮込み料理が食べられるレストランを探してみました。
いくつか見つかった中で一番そそられたのが、市役所にほど近い場所にあるEl Encuentroというレストランでした。ナバーラ地方のポチャスと呼ばれるインゲン豆とウズラの煮込み料理(Pochas Navarras con codorniz)が毎日食べられるほか、平日は日替わりで煮込み料理を提供しているのです。
【月曜日】Lentejas Pardinas
レンズ豆の煮込み。カスティーヤ・イ・レオン州の料理をこのレストラン風に仕上げています。
【火曜日】Fabada Asturiana D.O. "Bienes"
アストゥリアス風ファバーダ。アストゥリアス州のファバと呼ばれるインゲン豆を腸詰類や豚肉と煮込んだ、スペインでもよく知られたの込み料理です。原産地呼称ビエネスの豆を使用。
【水曜日】Alubias Alavesas Con Chorizo "Lodosa"
アラバ風アルビアス。バスク地方のアラバで食べられるインゲン豆とロドサ産チョリソの煮込み。
【木曜日】Gazpacho Mangueo "D. Jose"
ラ・マンチャのガスパチョ。ガスパチョというとアンダルシアの冷たいトマトのスープを思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、カスティーヤ・ラ・マンチャ州のガスパチョは煮込み料理なのです。鶏やウサギ、うずらの肉をトルタと呼ばれるクラッカーと一緒に煮込みます。お隣の州ということもあり、ここバレンシアでも州境に近い地域ではよく食べる料理です。
【金曜日】Cocido Completo "El Encuentro"
お店の特製コシード。豚肉や腸詰類と野菜を煮込んでいます。食材を煮込んだスープにはフィデオ(細く短いパスタ)が入っていて、写真のように別に出てきます。
私はコシードが好きなので、友人を誘って金曜日に食べに行きました。最初に電話したときはもうその金曜日のコシードはすべて予約済みと言われ、その翌々週に予約を入れたので、コシードを食べたい方は早めに予約することをオススメします。週末+人気メニューですものね。
コシードの前に何かほかのものを注文しようか迷ったのですが、お店の人は「1人1人前しっかりとコシードが食べたいのなら、ほかのものはいらないよ」と。使ってる食材のせいかマドリードのコシードよりもあっさりめで、結構な量がありましたがおいしく完食!! 赤ワインとコシードだけでご馳走でした。また食べたい!! ほかの煮込みも食べたい!!
ということで、ここはスペインの家庭の味である煮込み料理を食べたい方にはぜひオススメのレストランです。
なお、日替わり煮込み料理があるのは毎年10~11月から4月頃までだそうで、暑い時期にはありません。今シーズンは残り数週間なので、気になる方はぜひお味見に行ってみてください