キーワードで検索
昨年からバレンシアとマドリード間の高速鉄道での移動にいろいろと変更があったので、今回はそれについてお知らせします。
少し前までは高速鉄道の移動手段はRenfe(スペインのJR)のAVE(スペインの新幹線)で、バレンシアのホアキン・ソロージャ駅とマドリードのアトーチャ駅を結んでいました。が、現在AVEを4月のとある平日で検索してみるとその日にバレンシアからマドリードに行くAVEは計12便あるものの、内訳はアトーチャ駅行きが4便、チャマルティン駅行きが8便。同日のIntercityやALVIA、格安高速鉄道AVLO(すべてRenfeによる運行)もすべてチャマルティン駅行きです。当日に駅でチケットを買う場合はご注意ください。
私も2週間前にAVEでマドリードに行ったのですが、やはりチャマルティン駅行きでした。チャマルティンだとアトーチャより少し遠くなるので、少々時間もかかります。観光の中心地に近いのはアトーチャなので、その点でも不便になりました。
次は嬉しいお知らせです。バレンシア―マドリード間にRenfe以外の鉄道会社が2社参入しました。2021年にスペインでのサービスを始めたフランス国鉄のウィゴ/OUIGOと2022年参入のイリョ/iryoです。どちらも鉄道版のLCC、つまりは格安。ただし、どちらもマドリードはチャマルティン駅発着になります。
OUIGOは一番安い料金だと、バレンシアーマドリード間は片道9ユーロ!! 所要時間はAVEと変わりません。スタンダードな料金の場合は自由席になります。車両は2階建てで階段が狭いようなので、大きて重たい荷物があるなら1階席がいいですね(機内持ち込みできないような大きな荷物は別料金になるので、ご注意を)。また駅ではチケットを買えませんので、OUIGOのWEBサイトからお求めください。
現在OUIGOが走っているのはバレンシアとマドリード以外に、バルセロナとサラゴサ、タラゴナですが、今後スペイン中に広がっていくそうです。
OUIGO: https://www.ouigo.com/es/ (英語でもご覧いただけます)
iryoはイタリアの鉄道会社トレニタリアとスペインの航空会社エアノストラム、グローバルヴィアの3社が立ち上げた鉄道会社。バレンシアーマドリード間は最安で片道8ユーロ!! 私も実際に乗りましたが、AVEに劣るようなことは何も感じませんでした。私が買ったのは一番安い料金でしたが、座席は指定されていました。座席にはコンセントがあり、車内無料Wifiやカフェ車両もありました(どれもOUIGOにもあり)。大きな荷物に追加料金がいらない点はOUIGOより便利で、軽食付き料金があるのが面白いと思います。次回はこの軽食付きを試してみたいです。
iryoはすでにバレンシア、マドリード、サラゴサ、バルセロナ、タラゴナ、クエンカ、アリカンテ、アルバセテ、アンテケラ、コルドバ、マラガ、セビーリャと多くの都市を走っています。チケットはiryoのWEBサイト以外に、マドリードのアトーチャ駅、チャマルティン駅、サラゴサのデリシアス駅、バルセロナのサンツ駅、バレンシアのホアキン・ソロージャ駅にあるcasa iryoというコーナーで直接買うこともできます。
Iryo: https://iryo.eu/es/home (英語でもご覧いただけます)
スペイン内の長距離移動の選択肢が増えたことは嬉しいですね。最後に注意事項をふたつ。
AVEやOUIGO、Iryoなどの高速鉄道は乗車前にセキュリティチェックがあり時間がかかるので、余裕を持って駅に着くようにしましょう。発車数分前には改札が閉まるので、寸前に飛び込み乗車ということはできません。
また、OUIGOとIryoを使う場合、バレンシアの北駅とホアキン・ソロージャ駅を結ぶRenfe無料シャトルバスには乗車できません(運転手さんがチケットを確認します)。歩くと10分弱かかりますが、大荷物ではない限りはタクシーに乗るより早いような気がします。
なお、ここに書いてある内容は、2023年3月21日現在の情報です。この先変更も起き得ますので、ご購入の際には最新情報をお調べくださいね。