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【岡山】紅い町並みの吹屋ふるさと村「『ジャパンレッド』発祥の地」~高梁市成羽町~

mami

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岡山特派員

更新日
2023年5月29日
公開日
2023年5月29日
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こんにちは。地球の歩き方岡山特派員のmamiです。5月は新緑の美しい高梁市成羽町をご案内しています。
成羽町は吉備高原に位置し、成羽川沿いに小さな盆地が形成され町が出来上がっています。その北部に吹屋地区があります。中国山地のくねくねとした狭い道を車で走り続けると、忽然と紅い町並みが現れます。ここが銅山とベンガラ製造で発展した吹屋です。江戸時代に赤色の顔料「ベンガラ」を国内で初めて開発したとされる地域です。

吹屋は、赤銅色の石州瓦とベンガラの赤色の外観で統一された、見事な町並みが江戸末期から明治にかけて建てられました。昭和49年には岡山県のふるさと村に認定され、昭和52年には国の重要伝統的建造物群保存地区、そして令和2年に「『ジャパンレッド』発祥の地~弁柄と銅の町・備中吹屋~」として日本遺産の認定を受けています。何度も吹屋には来たことがありますが、日本遺産の認定を受けてからは、初めて来ました。いちばんに目についたのがアスファルト舗装だった道が。透水性舗装に変わっていたことでしょうか。

吹屋のベンガラは、焼いても綺麗な赤色が残るクオリティの高さから全国的に需要が拡大し、建材の朱塗りだけにとどまらず、有田焼や九谷焼の赤絵付け、輪島の赤漆器などにも重宝されたそうです。
ご覧いただいているように赤銅色の石州瓦とベンガラ色の壁や格子で統一された吹屋の町並みは整然としてしています。町並みは個々の屋敷が豪華さを競ったのではなく、旦那衆が相談し、石州(島根県)から宮大工の棟梁たちを招いてつくられたそうです。あらかじめ都市計画をされて、できあがった町並みなんですね。
派手な看板が目立つ現代の町並みに住み慣れていた目には、吹屋の旦那衆の美意識や和を重んじる気持ちの素晴らしさに感動しました。

旧片山家住宅の前で館長さんらしき方から吹屋の町並みのと片山家の事をいろいろとうかがうことが出来ました。片山家は、弁柄製造を創業した豪商で、この建物は国の重要文化財に指定されています。格子や軒裏などは弁柄が塗られていますが、長い年月陽ざしに晒され、黒ずんでしまっているとのことでした。国の重要文化財なので許可を取らないといけないそうで、勝手に修繕をすることはできないそうです。

片山家の向かいにある郷土館の建物と隣の貯蓄銀行は、片山家の分家だそうです。時代と共にベンガラの需要が減り、片山家も弁柄製造を終えた後、建物は成羽町に寄贈されたそうです。そして、現在の当主は神戸市芦屋で歯科医をされているそうです。

メイン通りにある土産物屋さんは多くのベンガラ商品を扱っています。吹屋のベンガラは建築物の壁や建材などに多く使われていましたが、土産用としては、ストールやハンカチ、暖簾など手軽な布製品が多く見られました。

この建物は旧長尾家です。岡山県内は晴れた日が多いという事で、映画のロケに使われることがよくあります。建物の中では、最近行われたロケの様子を写真で紹介していました。

司馬遼太郎の「燃えよ剣」のロケでした。この映画では吹屋の町並みだけでなく、近くの広兼邸や岡山市内の吉備津神社でもロケが行われていました。

ところで、昨年の夏は、7月~9月の毎週日曜日にレトロなボンネットバスが運行していました。今年のGWにもお目見えするかな?と思っていたら、4月29日から乗合電動車「たかはしグリーンスローモビリティ」の運行が始まっていました。ルートは旧吹屋小学校→黄金荘横→下町観光駐車場→ベンガラ館→笹畝坑道→広兼邸で料金は無料だそうです。このルートはボンネットバスが運行していたルートと同じです。あのずんぐりとした愛らしい車体が見られないのは寂しいことです。

モビリティがやって来ました。ゴルフ場のカートを長くしたような乗り物です。人が多いせいか歩くよりもユックリとした速度です。

住所
〒719-2341岡山県高梁市成羽町吹屋
電話番号
0866-29-2205(高梁市観光協会吹屋支部)
公式サイト
高梁市観光協会公式サイト
交通アクセス(車)
岡山自動車道賀陽ICから約50分
交通アクセス(公共)
JR備中高梁駅から吹屋行きバス約55分、終点下車
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