キーワードで検索
満開のサクラであちこちがピンク色に染まる札幌ですが、サクラの時期より少し遡り、雪解けから間もない時期は、"スプリングエフェメラル"のシーズン。
札幌界隈では、すでに終わりを告げようとしているスプリングエフェメラルは、北上すると、今まさに満開の時期を迎えています。
札幌から車で北東へ約1時間半(高速道路利用で約1時間15分)、旭川から約1時間15分(高速道路利用で約1時間10分)、そして「北菓楼」やアップルパイで有名な「なかや」など、スイーツの街として知られる砂川からは約15分の空知エリアにある浦臼町に、雪解け直後のこの時期、たくさんの人に熱視線を注がれているスポットがあります。
それが「浦臼神社」。
「いこいの森公園」に隣接する浦臼神社の境内は、北海道のスプリングエフェメラルの代表格「エゾエンゴサク」の群生地があります。
特に森に住む野鳥やエゾリスなどがよく訪れ、エゾエンゴサクからひょっこり顔を出す写真を撮ろうと、多くのカメラマンたちがエゾリスの出待ちするこの季節の熱いスポットとして写真愛好家に知られています。
写真の手前に駐車場があり、写真の白樺が見える方向へ、しばし歩いて境内へ向かいます。
こちらが「エゾエンゴサク」。
花の色は、青から紫がかった色、ピンクに近い色などがありますが、浦臼神社の群生地には、ブルーのエンゴサクが多く自生しています。
その迫力は…
まさに圧巻のひと言。
よくかわいいエゾリスとエゾエンゴサクの写真がSNSで投稿されるのを見ていましたが、切り取られた写真では、その群生の規模がよくわかりません。
実際に目の前に広がる群生を見ると、息を飲むほど圧巻の光景が広がっていました。
一面、ブルーのエゾエンゴサクに感動していましたが、さらに息を飲んだのは、可憐な「カタクリ」も咲いていたことです。
エゾエンゴサクの群生地には、ピンク色のカタクリも群生しているのをしばしば見かけますが、浦臼神社でもカタクリが咲いていました。
これまで訪れたことがある群生地のなかでも、とりわけ印象的に感じた浦臼神社では、カタクリの花の密度が場所によって異なり、ピンク色の割合が少しずつ違う"ブルーの光景”を楽しめるところです。
鎮守の森に広がる花畑。
さらに思いがけなかったのは、とっくに咲き終わっていると思っていたフクジュソウが咲いていたことです。
エゾエンゴサク、カタクリ、フクジュソウ。
まさにスプリングエフェメラルの競演です。
フクジュソウは、すでに葉がかなり伸びていたので、そろそろ花が終わりを迎える頃です。
ブルー、ピンク、イエローが互いに引き立て合う美しい花畑は、とても貴重な自然を感じるスポットでした。
神社の傍らには、まだ雪が残っていました。
樹木が芽吹く新緑前のこの時期、白一色の北国の冬が明け、色を最も強く感じる最初の光景です。
浦臼神社のエゾエンゴサク群生地は、神社関係者と有志の方々が守り育ててきたそうです。
花の中に立ち入ることができないよう群生地の周りにはロープがめぐらされ、こういった活動を地元の方がおこなってきたからこそ、まるで天国のような美しい光景を見ることができるのだと、その地道な活動にも感銘を受けました。
このような美しい光景をこれからもずっと存続させられるように、同じ北海道民としてできることをしたいと強く思わせてくれる光景です。