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北海道で春を告げる風物詩は、サクラや梅、スプリングエフェメラルだけではありません。そのひとつが北へ帰る「渡り鳥」です。冬の間、本州で過ごした渡り鳥たちは、例年4月初旬から中旬にかけて、雪解けが進み沼の氷が解ける"沼開け"の頃、渡りの途中に宮島沼を訪れます。そのラストチャンスに間に合いました。
札幌から車で国道275号線経由で約1時間のところにある、約ラムサール条約登録湿地の「宮島沼」(北海道美唄市)は、毎年春と秋、シベリアと本州の間を行き来するマガンやハクチョウなど渡り鳥の飛来地として知られています。
なかでも、何万羽も飛来するマガンのねぐら立ちやねぐら入りの壮観な光景は、美唄市の風物詩として多くの人に知られています。
2023年春の渡り状況について、宮島沼水鳥・湿地センターのSNS投稿によると、沼の氷が解ける"沼開け"は、例年より1週間も早かったそう。
このため水鳥の渡りが早くなり、毎年のようにマガンを見に訪れている宮島沼は、4月下旬でも多くのマガンを目にできるのですが、2023年はすでにピークを過ぎているようで、果たしてマガンを見ることができるかどうか半信半疑で訪れました。
宮島沼に近づいてくると、辺りは一面の畑が広がっています。
夜には宮島沼で過ごすマガンは、朝、夜明けとともに"ねぐら立ち"をして、近隣のエサがある場所へ向かって飛び立ち、畑で過ごす一団も多くいます。
そしてこの日も道路脇近くの畑でエサをついばむ一団に遭遇しました。
音を立てると驚かせてしまうので、車のウィンドウを開けて、ひっそり観察。
道路から近くマガンのサイズ感がよくわかりました。
一心不乱にエサをついばむマガンがいる一方、こちらの気配に気づき、ゆっくり距離を離していくマガンも。
そして"かぎ"になって編隊飛行するマガンも目にしました。
これは、宮島沼に浮かぶマガンがいるかもしれないと期待しながら宮島沼水鳥・湿地センターがある宮島沼へ。
到着した宮島沼は、残雪の樺戸連山(樺戸山地)を背景に、いつもの美しい春の光景が広がっています。
マガンが北へ飛び立つ日までも残りわずかですが、雪が残る樺戸連山が見られるのも例年より期間が短くなりそうです(いつもはゴールデンウィークを過ぎても雪が残る山々が見られます)。
そして宮島沼に舞い降りようとするマガンの姿も発見!
まだ夕方のねぐら入りのピークに比べると数は少ないと思いますが、早めに戻ってきた、もしくは天候などによっては日中も宮島沼に残っているマガンもいるので、そのどちらかのマガンです。
どちらにしても、北へ向かう前のマガンを目にすることができました。
ハクチョウはすでに北へ帰ってしまったようですが、遠くの岸近くに数羽が残っていました。
1羽はグレーなので、幼鳥もいるようです。
こちらはマガモでしょうか。
1羽だけですが、どんどんこちら側へ近寄ってきます。
思いがけずマガン以外の水鳥にも遭遇しました。
マガンは北へ向かうとき、ひと家族ずつ旅立っていくそうです。
あともう少しの間、飛び立つタイミングを計っているマガンの家族がいるかもしれません。
残雪の樺戸連山と宮島沼の風景も美しいので、美唄市や近隣の砂川市方面へドライブする際は、ぜひ立ち寄ってみてください。