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北海道の春、山々に見られる「春紅葉」(はるもみじ)。ここ数年、春の風物詩として個人的に楽しみにしている季節の風景ですが、5月初旬に訪れた北海道赤井川村で見た"春紅葉"は、今まで見た中で最も印象的な春紅葉でした。
雪が解けて間もない北海道。 これから春本番!という4月下旬から5月中旬にかけて、山々の木々にみられる光景が「春紅葉」(はるもみじ)です。 最近はニュースなどでもときどき報じられるようになった北海道の春の風物詩です。 文字通り、秋の紅葉かのように葉が赤くなることを春紅葉といいます。 若葉が出始める春は、光合成が十分にできず、葉の色が赤くなるそう。 北海道にいると、毎年、当たり前のように眺めてきた光景ですが、北国だけに見られる現象だそうで、近年、あらためて注目されるようになってきました。 4月下旬から5月下旬にかけて、北海道各地で見られる春紅葉。 この時期の山の風景は春紅葉に加え、新緑と常緑樹の深い緑が加わったり、さらに遠くの高い山の残雪が見えたりと、1年で最も美しい風景のひとつです。
地球の歩き方web 「北海道の春旅に「春紅葉」~北国の楽しみ方」
早速、赤井川村の春紅葉をご紹介します。
赤井川村で見た春紅葉。
今回は、余市町から道道36号線を経由し赤井川村へ向かいました。
萌黄色と朱色が淡く広がる春紅葉で、秋のくっきり鮮やかな紅葉とは対照的ともいえる優しい色合いです。
これまでは、おそらくもう少し季節が進んだタイミングの春紅葉を見ていたと思います。
そのためグリーンがもう少し濃く、ここまでの淡い色は初めて目にしました。
赤井川村の積雪量は、北海道のなかでも5本の指に入るほど多いので、雪解けも札幌などと比べるとゆっくり。
そのため、札幌ではサクラが散り始め、ヤエザクラの時期になるこの時期にもきれいな春紅葉に出会えました。
山すそ近くは、緑が多く(といってもまだ芽吹き始めたばかりの淡い黄緑色)、薄いオレンジ色や黄色、朱色の木が点在して見えます。
そして目を山の上へ移すと、芽吹きがこれからという木々が多くなり、ともするとピンク色にも見えそうな薄茶色が多く見え、その中にはまれにサクラの桃色もポツポツと見えます。
もう少し春紅葉に近寄ってみました。
山すその白樺はしっかり葉が育ち、その上に行くにつれてグリーンが薄く、そして少なくなっていきます。
今だけ見られる春紅葉のグラデーションです。
途中で通りがかった「道の駅あかいがわ」。
敷地の周りには、春紅葉の山を背後に控え、サクラが満開でした。
そして小さな春の花も咲き乱れていました。
スプリングエフェメラルの「キクザキイチゲ」。
「ワスレナグサ」。
「スミレ」。
(タチツボスミレの一種かもしれませんが、このところよく見かけるものの名前が判明しません。)
「ニリンソウ」。
道の駅の周りに最も多く咲いています。
よく見ると、わずかでしたが「エゾエンゴサク」も咲いています。
周りにはサクラが何本も咲いており、華やかなサクラに目を奪われがちですが、特にニリンソウを中心にスプリングエフェメラルを間近に見られる貴重なスポットともいえそうです。
「道の駅あかいがわ」から小樽方面へ向かって道道393号線沿いに走っていると、「ミズバショウ」が咲いていました。
奥に行くにつれて葉が大きく成長したミズバショウが咲いており、手前ほど雪解けが遅かったのか、まだ葉が育っていないミズバショウが咲いています。
そしてミズバショウの群生の中にたった一株だけ、「エゾノリュウキンカ」が咲いていました。
そしてたどり着いた「毛無峠」(けなしとうげ/標高658m)には、まだ雪が残っていました。
2023年は春が例年より早く訪れた日本列島ですが、赤井川村ではあともう少しだけ遅い春を楽しめそうです。