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日本最大の湖「琵琶湖」には、沖の白石、多景島、竹生島、沖島の4つの島があります。日本では、淡水湖に浮かぶ島として唯一人の住む島・沖島と、期間限定で体験できる鮒ずし作りをご紹介します。
・期間限定 琵琶湖汽船・鮒ずし作り体験クルーズ 2023
筆者は鮒ずし作り体験の為、事前予約し、琵琶湖汽船のリオグランデ号(船は変更の場合あり)で大津港から沖島へ。
・定期船
近江八幡市の堀切港から1日12便(日曜日は10便)運航。始発が早朝7時台、最終便が20時台なので日帰り観光も可能。予約不要。
「南湖」である、大津港を出港した琵琶湖汽船のリオグランデ号は、「北湖」の沖島を目指します。琵琶湖大橋は琵琶湖を「北湖」と「南湖」に分けています。
行きの船内では「漬け方講習」等のDVDを流してくれます。
大津港より約1時間20分で沖島に到着。沖島は近江八幡市より琵琶湖の沖合約1.5㎞にある琵琶湖最大の島です。島の入口に書かれた「もんてきて」とは「かえっておいで」と言う意味の沖島の方言です。
島内には約250人が居住、市立小学校や郵便局などもあります。近江八幡市から船に乗り通学する小学生も居られるそうです。また、自動車や信号機はありません。沖島の自家用車と言えば、一軒あたり一隻以上、所有の船です。港には沢山のマイボートが停泊しています。主な産業は漁業です。
島内の主な交通手段は三輪自転車です。この日、至る所で三輪自転車が止まっているのを見ました。サドル部分にはサドルカバーが。よく見ると、お菓子などが入っていた缶を再利用されています。雨にあってもサドルが痛まないように、島の生活の知恵ですね。
島内を散策します。
西福寺には、室町時代の浄土真宗の僧「蓮如」の真筆が2つあります。
保元・平治の乱の戦いに敗れた際、七人の源氏の一人茶谷重右衛門の末裔が本願寺第8代蓮如上人に帰依したことから始まります。福井県の吉崎御坊から大津に向かわれる蓮如上人と岐阜県の住職、長浜の住職と三人が沖島にお立ち寄りになり、我漁師の女房を救わんが為に「正信偈」と「お名号」を書かれ、450年前から現存、近年全国から参拝にお越しいただいています。
(以上、沖島HP 西福寺 ご住職)
712年、勅命を蒙った藤原不比等により創祀されたと伝わっています。琵琶湖を望む、見晴らしの良い所に建っています。
郵便局発見!島の重要拠点ですね。
「ただいま~」「おかえり~」がコンセプトのいっぷくどうです。・コーヒー・紅茶・手作りお菓子のセット、気まぐれにランチ「きままらんち」、「きままらんち」は、おばあちゃんのお昼ご飯です。夏場は豆乳そーめん+α また食べに来てください。「いっぷくどう 開いているかで 運試し」そんなつもりでまた来てください。店主
運試し(笑)開いてたらラッキーですね!
沖島で見つけた「飛び出し坊や」ではなく「飛び出し菜の花持ったお姉さん?」、車は走ってないので必要ないと思いますが、そこは、飛び出し坊やの聖地・滋賀県です。
島内、昭和を彷彿させる、懐かしい島時間が、ゆっくりと流れていました。
ではいよいよ鮒ずし作り体験です。
弥生時代から伝わる、滋賀県の郷土料理で、主にびわ湖の固有種であるニゴロブナを使用、塩漬けにしたニゴロブナをご飯に漬け込んで発酵させた「なれずし」です。湖国を代表する食文化として1998年、滋賀県の無形民俗文化財に指定され、今年2023年1月に「近江のなれずし製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されました。
個人的には「凄く臭い」イメージがありましたが、沖島の漁師が作る鮒ずしは、美味しいと人気です。食べず嫌いの筆者も食べる事ができました。お酒が欲しくなるお味です。
びわ湖の固有種ニゴロブナを原材料とした郷土料理「鮒ずし」を作ります。今年はニゴロブナが豊漁だそう!筆者は、作るのは初めて!でも大丈夫。沖島の漁師さんが親切に教えてくれます。2022年に作った写真でご案内します。
素材が命の鮒ずし。3月から5月にかけて琵琶湖でとれるニゴロブナを下処理し、塩漬けにして寝かしておいた鮒です。
丁寧に塩を洗い流します。鮒の口から水を静かに流し込むと、お腹の中の塩も流し取れます。
お腹の中の卵が破れたり流れ出たりしないよう、慎重に作業をします。残っているうろこや、ぬめり、エラの周囲など、鮒を美しく磨き上げます。
ピカピカの鮒になりました。水分をとります。
水分をふき取った鮒の頭を下にして吊るします。数時間~置きます。
水分がとれた鮒、1匹ずつご飯を詰めていきます。お腹の奥まで詰めます。
樽にご飯を詰めた鮒を重ならないように、向きを交互にし、敷き詰めていきます。その上にご飯を敷いて隙間ができないように強く押さえ、何層にもしていきます。樽の内側に敷いていたビニールを紐で縛って密閉、重石をのせます。本漬け完了です。
食べ頃となる晩秋まで自宅で保管です。
希望者には、沖島で取れた湖魚や野菜を使用した沖島のお母さんたち特製のお弁当が用意されます。
沖島名産のさつまいもを使ったアイスクリームや沖島の特産品が販売されています。ここでしか食べられないアイス、心に残るやさしい味です。
沖島での貴重な郷土料理作り体験も終了です。
琵琶湖大橋をくぐり抜け、一路、大津港へ!
沖島への鮒ずし作り体験は大人気のクルーズの為、締め切り後、抽選となります。今年の申し込み締め切りは5月31日です。気になる方は、お早めに、ご確認下さいね。
島時間がゆっくり流れる沖島、また行きたくなる島です。