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【岡山】吹屋の町並みを展望できる「山神社」 ~高梁市成羽町~

mami

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岡山特派員

更新日
2023年5月31日
公開日
2023年5月31日
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メイン通りから路地を入った車一台がやっと通れるような細い道沿いにも紅い町並みは続きます。この辺りは。表の豪商が建ち並ぶ町並みよりも生活感がうかがえます。この路地を奥へと進みます。

ありました。旧片山家住宅で教えていただいた「山神社跡」です。吹屋が銅山とベンガラの製造で活気づいていた頃、銅山の守護神として厚く信仰されていた神社です。

石段を登り切ると…あらら、いきなり本殿です。拝殿がありませんね。
案内板によると銅山が閉山した後は衰退の一途をたどり、平成11年に高草八幡神社に御神体が合祀されたそうです。

近くでみると本殿は、総欅造りで精巧に建てられています。修理の時に部材の一部に塩飽(しわく)笠島の大工名が確認されたそうです。塩飽諸島は廻船・海運業で知られた塩飽水軍の本拠地です。塩飽大工と呼ばれるのは、船大工の技術を活かし、腕の良さで名を馳せた塩飽諸島出身の大工の総称です。そんな名工たちを呼び寄せて建築された神社なんですね。

江戸時代は住友が吉岡銅山の経営をしていましたが明治時代になり、三菱鉱業の岩崎弥太郎に経営権が移りました。山神社も三菱鉱業が願主となったので、三菱のマークが刻印された玉垣や鳥居が見られます。

境内から見下ろす景色は、見事な石州瓦とベンガラの紅で統一されていますね。国内に街並み保存地区は多くあれど、こんな風景は珍しいのではないでしょうか。

神社を下りました。神社よりもさらに奥へ紅い町並みは続きます。

メイン通りに戻りました。

美味しそうなお団子を売っているお店がありました。ちょっと、小腹もすいてきたので草団子を購入しました。”みたらしだれ”か”味噌だれ”かを選べるので”味噌だれ”にしました。香ばしい味噌の香りが食欲をそそり、気が付けば写真も撮らずに完食してしまいました。団子に振りかけた一味胡椒もいい風味でした。

一味胡椒を売っているという「佐藤紅商店」さんも訪れてみました。

店内はキッチュな色彩とデザインが愛らしく、すべての商品が地元・高梁市で生産された唐辛子とゆずを使った胡椒たちです。唐辛子だけでこんなに商品が出来るのも凄いですね。

一味胡椒を買うつもりだったのに、柚子胡椒が大好きな私はテンションあげあげで、目移りしながら、ここでしか手に入りそうにない、レモンと一味を使った左端の”レモン胡椒”という胡椒を買いました。鶏の胡椒焼きや唐揚げに添えると絶対に美味しいと思います。

ベンガラ発祥の地は、郵便局も赤く染まっていますね。「書状集箱」と書かれた昔風のポストの黒がなんともいい味を出しています。吹屋の歴史に思いを馳せながらノスタルジックな町並みを散策した一日でした。

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