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カトリック教会では6月24日をサン・フアンの日と定めています。サン・フアンとは、洗礼者ヨハネのこと。ヨハネの母エリザベートと聖母マリアは親戚関係にあったそうで、キリストもヨハネに洗礼を受けています。最期は当時のパレスチナの領主ヘロデの誕生パーティーの席で、打ち首にされ命を落としました。ヘロデの継娘サロメが上手に舞ったご褒美にねだったのがヨハネの首だったのです。それはヨハネに恨みを持つヘロデの妻でサロメの母にあたるヘロディアの入れ知恵でした。もし美術館でお盆の上に首がのった宗教画があったら、それはヨハネの首です。
余談ですが、スペインのバロック期の画家ムリーリョが幼いキリストとヨハネを描いた、プラド美術館所蔵のかわいらしい宗教画"Los niños de la concha(貝殻の子ども達)"があります。ここには貼れませんので、ご興味がある方はこのサイトからご覧くださいね。
さて、アリカンテ市ではサン・フアンの日にあわせて、バレンシアの火祭りによく似たお祭りラス・オゲラス/Las Hoguerasが大々的に催されます。日本ではサン・フアンの火祭りと呼ばれることもあるようですね。オゲラというのはスペイン語で焚き火のこと。
というのも、サン・フアンの日の前夜はスペイン各地で焚き火を焚いて祝う習慣があるのです。これは、キリスト教が広まる前から夏至を焚き火で祝っていたことに由来しているのだとか。祝い方は地域によってさまざまで、たとえばバルセロナでは花火や爆竹で派手に祝い、ガリシア地方ではイワシの炭火焼を食べたり。ここバレンシアでは夜のビーチに集まって焚き火をして過ごします。海で体を清めるだけでなく、中には焚き火を飛び越える強者も。若者たちは朝までビーチで飲んでしゃべって踊って楽しむようで、我が家の高校生の息子も友人たちと電車で出かけて行きました。朝帰りは認めたくありませんが、サン・フアンの特別な夜なので仕方ないですね・・・。焚き火を飛び越えて火傷をしないように言っておきました。
もしこの先運よく6月23日にスペインにいる機会があれば、ぜひサン・フアンの夜をお楽しみくださいね。