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夏の休暇が明けてフランスは9月から新年度が始まりました。さまざまな食材がそろう食欲の秋がいよいよやってきますが、各ブランドやショップにとって、9月はクリスマス商戦に向けた始まりの時期でもあります。今回はRMN-GP(フランス国立美術館連合)のクリスマス向け商品の展示会に行ってみました。
『地球の歩き方』のパリ編の本誌にも掲載がありますが、ミュージアムショップは、観光的ではない、きらりと光るものを探すのにぴったりの場所です。ルーヴル美術館をはじめ、オルセー美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)などでは、「ザ・観光地」というもの以外に、有名ブランドなどとコラボレーションした、美術館のエッセンスを加えた普段でも使えるような商品展開がされています。
展示会でまず見つけたのが、ゴッホの絵画『ラシーヌ』と葛飾北斎『鷽に垂桜』をモチーフにした弁当箱。フランス人にとても人気だそうです。
クリスマスの日は、親戚など多くの人が集まるイベントでもあります。そこで登場するがゲームです。ルーヴル版モノポリーとクルード(推理系ボードゲーム)も楽しそうです。
もう少し幼い子供向けには、オルセー美術館が所蔵するフランソワ・ポンポンの彫刻『シロクマ』をモチーフにした木のおもちゃやぬいぐるみも良いかもしれません。フランソワ・ポンポンとエッフェル塔のハンコもあります。その名も「タンポン・ポンポン」。「タンポン」とはフランス語でハンコのこと。「ポンポン」はフランソワ・ポンポンのポンポンです。
ルーヴル美術館とバーバパパがコラボした「バーバ・ルーヴル」のコレクションや、憲法評議会のオフィシャルグッズもおすすめ。おしゃぶりにはフランス語で「Droit de se taire(黙る権利)」と書かれ、シャレが効いています。その他には憲法評議会のエプロンや、フォンテーヌブロー城のエプロンもありました。
センスよく、数も少ないレアものを探すなら、ポンピドゥー・センターのショップがおすすめです。ここで売られている商品は、同ショップのバイヤーがそのセンスで買い付けてくる品々。多く仕入れないということに加えて、人気ですぐに商品がはけてしまうため、ネットでは売らず店頭でのみで扱っているそうです(ただし今後は一部の商品をネットでも買えるようにするとのこと)。
今回の展示会でもおしゃれな商品がそろっていました。
ルーヴル美術館やオルセー美術館にある収蔵品の、公式複製品を制作するムラージュ工房とカルコグラフィー工房の商品も忘れてはいけません。複製品といっても単なるコピーではなく、専門の職人が本物から型を取ってオフィシャルで製造する品々です。そのため値段もそれなりにします。
その複製品の中で、一際目を引いたのがパリのポスター掲示場所である「モリス広告塔」の複製品。これも、広報担当いわく、工房に型が残っていたため、作ってみたのだとか。
ちなみにモリス広告塔とは、それまでのパリは、建物の壁などにポスターが手当たり次第に貼られ景観を損なっていたそうで、ポスター印刷業者のモリス氏が広告塔を作りそこにポスターを貼るアイデアを考案したところ、それが採用されパリの各所に設置されるようになったことに由来します。
当時は広告塔の役割だけではなく、この複製品のように蛇口が付いているものがあったり、男性向けの小用のトイレが付いてるタイプもあったそうです。
アクセサリー類も見逃せません。フランスのアクセサリーブランド「Les Néréides(レ・ネレイド)」と印象派の絵画がコラボレーションしたシリーズもあります。モネ『睡蓮』やゴッホ『自画像』『星月夜』、ベルト・モリゾ『社交の若い女性』などからインスピレーションを受けた商品が展開されています。
パリの芸術や歴史に触れつつ、好みのグッズを探してみてください。