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スペイン料理でウナギと言えば、ウナギの稚魚のアヒージョ(angulas al ajillo)が知られています。が、かなりお高いので一般庶民が口にできるのは、ウナギの稚魚に似せたすり身のアヒージョだったりします。
が、ここバレンシアには庶民にも手が届くウナギ料理があります。アリペブレ(all i pebre)と呼ばれる郷土料理で、バレンシアの南にあるアルブフェラ湖畔のカタロハ(Catarroja)という町が発祥だと言われています。カタロハでは昨年から年1回のアリペブレコンクールを開くようになりました。
どんな料理かというと、ぶつ切りのウナギと一口大に切ったじゃがいもを鉄製の深鍋に入れ、にんにくと燻製パプリカパウダー風味でコトコトと煮崩れしない程度に煮込んだものです。
私はウナギの骨や皮の食感がちょっと苦手で『ウナギはやっぱり蒲焼き』派なのですが、アリペブレの出汁はおいしく、パンをつけて食べると止まらなくなります(パンがトーストしてあるとなお美味し)。
ウナギを食べる文化があるので、バレンシアの中央市場には生きたウナギをその場でさばいてくれるウナギ屋さんも入っているんですよ。
どこのレストランにも置いてあるような料理ではなく、昔ながらのお米料理レストランで目にします。30軒近いお米料理レストランが並ぶアルブフェラ湖畔の小さな町エル・パルマールのレストランなら、割とどこでもメニューにあると思います(エル・パルマールはアリペブレ発祥のカタロハから見ると、アルブフェラ湖の対岸に位置します)。
おそらくバレンシア以外では口にできない料理なので、ウナギ好きの方はぜひバレンシアに来たらお試しくださいね。