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Hola!山梨特派員の水月です。
「山梨特派員スペインへ行く」シリーズ第2弾は、マドリードの西北に広がるカスティージャ・イ・レオン地方の「サラマンカ」。「サラマンカの旧市街」は、1988年に世界遺産に登録されています。
そのなかのひとつに、”スペインで最も美しい広場”と呼ばれる「マヨール広場」があります。
18世紀、王位継承戦争貢献を賞賛し、フェリペ5世が建造を命じた「マヨール広場」は、チュリゲラ様式を広めたチュリゲラ兄弟の末弟アルベルトが手がけました。
〈マヨール〉とは〈大きい〉という意味。
アルベルトは、この〈大きな広場〉を設計する際、全体に調和のとれた美しさを生み出すため、あえて華美な装飾を避け、シンプルな美しさを追求したといいます。
広場北側の時計台がある市庁舎は、微量の酸化鉄を含んでいる石材で造られていて、夕日を浴びると金色に輝きます。サラマンカが「黄金の都市」の別名を持つ所以です。
夜の「マヨール広場」は、ほんとうに美しかった。まさに、”スペインで最も美しい広場”だと思いました。
市庁舎1階にあるアーチの柱には、歴代の国王やコロンブスなど歴史上の人物の胸像が飾られています。
「マヨール広場」には、バルやレストラン、ショップが軒を連ねていて、食事をしたり、気軽にコーヒータイムを楽しんだりできます。インフォメーションもあり、サラマンカの地図をゲットしに行きました。「どこから来たの?」と英語で訊かれたので「Japón(ハポン)」とスペイン語で答えると、日本語のパンフレット(無料)を出してくれました。とてもフレンドリーで、歓迎されているのだと感じましたよ。
サラマンカの歴史は、スペイン独特です。古代ローマ人によって築かれ、その後、ローマ帝国が滅亡。イスラム帝国の支配を受け、さらにそののちキリスト教支配下となりました。
世界遺産である「旧市街」には、ロマネスク様式、ゴシック様式、ムデハル様式、プラテレスコ様式、チュリゲラ様式など、歴史を物語る建築様式が混在しています。
サラマンカのカテドラルは、珍しいことに新旧寄り添うように隣り合わせに建ち、内部がつながっています。
旧カテドラルは、12世紀に建てられたロマネスク様式。新カテドラルは、ゴシック様式で16~18世紀に建造されました。内部見学は、カテドラル前の美術館との共通券で、€10。
新カテドラルのファサードには、修復時に彫り足された宇宙飛行士などの彫刻があるので、探してみるのも楽しいと思います。
見学後、一度カテドラルを出て南側の入口にある展望受付(€4)から階段を上り、新旧カテドラルの身廊上や屋上を歩きました。身廊を上から眺めたり、美しいと評判の旧カテドラルのガーリョ塔など屋根部分の彫刻を間近で見ることができ、街を見渡せるスポットもいくつかあって、とても気持ちがよかったです。
週末の夜には、音楽と解説付きのガイドツアーがあるそうですが、季節によって曜日や時間が変わりますのでご確認ください。
コロンブスが、航海研究のためサラマンカ大学天文学部に通ったときに滞在した修道院。
チュリゲラ様式(スペイン独自のバロック様式)発祥の地としても有名です。
内部の祭壇衝立は、チュリゲラ兄弟の長男ホセの代表作。とても見応えがありました。内部見学は、€4。
サラマンカは、世界中から留学生が集まる学生の街。
「サラマンカ大学」はスペイン最古の大学で、16世紀建造のファサードは、プラテレスコ様式の傑作といわれています。
「ファサード彫刻の”蛙”を探すと大学に入学できる」と言い伝えられていて、入学できるわけではありませんが、訪れた人は”蛙”を探すのがお決まりとなっています。
そしてそして、サラマンカは”肉の街”なんです。標高が高く、養豚に向いた土地柄なのだそうです。
豚肉やハモン・イベリコのタパスをたくさん食べました。とーっても美味しかったです。
旧市街にも、カウンターにタパスが並び、指さし注文できるバルはたくさんありますが、旧市街地から北東に歩くと、タパスバルが軒を連ねる「Van Dyck通り」があり、バル巡りを楽しみました。
「una cerveza por favor(ウナ セルベサ ポル ファボール)ビールを一杯お願いします」など、簡単なスペイン語を覚えておくと、さらに楽しめますよ。
世界遺産の街であり、学生の街であり、肉の街でもあるサラマンカ。
必見の”スペインで最も美しい広場”と呼ばれる「マヨール広場」とともに、ゆったりとじっくりと歩いていただきたい街です。
☆「山梨特派員スペインへ行く~2023年秋」シリーズ、バックナンバーはこちら。
第1回 「マドリードの歩き方」