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夕食の時によく出てくるバターロールって、名前の割にはバターの味がそんなにするわけでもなく、特になんてことはない、どちらかというと退屈なパンだと思っていました。
なので、先日マウイ島に行った際にマウイ島在住の友人が「まずはバターロールで有名なフォー・シスターズ・ベイカリーに寄るわよ」と言った時も「はいはい、バターロールね」という感じだったのです。だって、どんなに美味しいと言っても、バターロールはバターロールですからね。
空港のあるカフルイの街から車で15分ほど西に行くと、ワイルクという街があります。マウイ郡庁がある行政の中心地であるワイルクは古くから人が住んでいた街で、昔ながらのユニークなお店がたくさんあります。ドライ麺で有名なサム・サトウズやグリグリ(アイスクリームとシャーベットの間の食感の冷たいデザート)のタサカなどは、私の大好きなお店でもあります。
フィリピンから移住してきたスタンレー・マグブアルさんと妻のルフィーナさんが、40年前にフィリピンスタイルのペイストリーを売り始めたのがフォー・シスターズ・ベイカリーの始まりです。店名の由来は4人の娘さんだそうですが、20年前に店を継いだのは、息子のアーノルドさんと妻のマージョリーさんでした。今も元気に早朝からキッチンでぺいストリー作りに励んでいるお二人です。
ちょうど住宅街とオフィス街の境目辺りにあって、近所の人が徒歩で歩いてくるようなお店です。
店内は5人も入ればいっぱいになるので、あふれた人は外で待ちます。
ショーケースには、スパニッシュブレッドなどのフィリピンスタイルのペイストリーやマラサダそしてロングジョンドーナツなどが並びます。
私は、もちろんバターロールとマラサダを注文。フォー・シスターズ・ベイカリーのバターロールが、他店のバターロールと違うのは、注文を聞いてから、バターにどっぷりと浸すことです。
ふわふわで少し甘めのパン生地とバターの塩味が絶妙のコンビネーションです。パン生地は、スパニッシュロールを膨らませてふわふわにした感じでしょうか。子どもの頃にどこかで食べたことがあるような懐かしい味のバターロールです。
バターもしつこくなく、胸焼けになるようなこともありません。この日は1つしか食べませんでしたが、一度に3〜5個は食べられそうです。
たかがバターロールと思っていましたが、たかがバターロール、されどバターロールでした。みなさんがマウイ島にいらしたら、ぜひ食べていただきたいバターロールです。
マラサダは、しっかりとした生地でモチモチ感たっぷり。
一緒に行った友人は、シナモンロールが絶品だと言っていました。
マウイ島の友人によると、持ち寄りパーティーにフォー・シスターズ・ベイカリーのバターロールを買って持っていくと、みんながとても喜んですぐになくなるそうです。地元の人にも人気なのですね。
こういう家族経営で、ここに来ないと食べられない味を味わえるのが旅の醍醐味です。最近は、子どもたちが店を継がなくなって、閉店する店も多いのですが、こういうお店こそがんばって欲しいですよね。大したことはできませんが、ワイルクに行ったら、必ず立ち寄って応援したいと思います。
8月8日に発生した山火事のために、ラハイナはアクセス制限区域となっていますが、カアナパリ、ナピリ、ホノコワイ、カパルアのマウイ島西部も再開し、旅行が可能になっています。今回のマウイ旅行では、西マウイには行かず、北マウイ〜中央マウイ〜南マウイで過ごし、マウイ島を堪能しました。以前、マウイ観光局のPRを担当していたこともあって、マウイ島は私にとっては特別な場所です。こうやってまたマウイ島を訪れることができて嬉しかった。Maui Nō Ka ʻOi!(マウイが1番!)