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食欲の秋を代表するパリの催し「サロン・デュ・ショコラ」が、市内南にあるポルト・ド・ヴェルサイユの見本市会場にて2023年11月1日まで開催中です。今年は2万平方メートルの建物内に、38カ国から230の出展者が集まりました。
今年のサロン・デュ・ショコラは2023年10月28日から11月1日まで開催(10月27日夜には前夜祭あり)しています。前夜祭、初日、3日目に足を運んでみた今年の印象は、大規模メーカーの見本市の印象が薄れ、とりわけフランス国内の中小のショコラトリーに、より光が当たったように思いました。
日ごとに来場するゲストは、フィリップ・コンティチーニ氏、ジェフリー・カーニュ氏、ニナ・メタイエ氏など。今をときめくスターパティシエで、ステージに登壇したり、サイン会が開かれました。
日本からも辻口博啓さんら、有名パティシエが来仏。同氏が営む「ル ショコラ ドゥ アッシュ」は、魚沼醸造の米糀から作られた発酵甘味料である「糀みつ」を使用し、「黒糖」「豆腐よう」「琉球紅茶」「ピパーチ」という沖縄食材を用いた4種のチョコレート「LE CHOCOLAT DE H Bonbon Chocolat 琉球」を中心に展開。好評を得ていました。
また、日本企業からのサロン・デュ・ショコラに対する視線は依然熱く、会場内には日本に関連するブースが集まったスペースも設けられました。
日仏のサロン・デュ・ショコラは、じつは少し違いがあります。日本で百貨店の催事として開かれるサロン・デュ・ショコラは、どちらかというとBtoCの商品販売のためのイベントですが、フランスの場合は、ブースで商品も購入できるものの、どちらかといえば見本市の性格が強いです。
取り扱う範囲は、完成品のチョコレートだけではなく、原材料から器具、BtoBの商談スペースがあり、各パティスリーまたはショコラトリーのブースも、試食が多く出され、商品アピールの場となっています。そのためパリにはお店を持たない、フランスの地方から出展するショコラトリーも多くあります。チョコレートに関した技術、アート、ファッションについても扱われます。
各ブースで味見をしたり、シェフ・パティシエやシェフ・ショコラティエの人から直接商品について話を聞けたり、気に入れば商品を買ったり、またはそこから会社同士のビジネスに繋がったりと、フランスにおけるチョコレート産業の大きさを実感できる催しです。