キーワードで検索
スペインの北西にあるガリシア地方は食べ物がおいしいことで知られています。特にタコをはじめとするバラエティ豊かなシーフードが有名ですが、それ以外にもおいしい肉類や野菜もあり、素材を生かしたシンプルな料理がたまらないのです。
バレンシア市の比較的中心部にガリシア料理店があり、もう10数年、もしかしたら20年くらい前からずっと気になりつつも行く機会がありませんでした。が、先日やっとのれんをくぐってきました。
オーナーはガリシア出身。今流行りの‟バエ”るお店ではありませんが、こじんまりしていて居心地の良さを感じます。
2人で行ったので、頼んだのは2品のみ。ガリシア料理の代表ともいえる『タコのガリシア風』、それと季節柄『ガリシア風コシード』を選びました。コシードはスペイン各地で食べられる冬の煮込み料理で、地方によって具材に違いがあります。
『タコのガリシア風』は薄めにスライスされたタコではなく、ぶつ切りのタコが豪快。柔らかく、おいしかったです。
『コシード』は最初にスープが出てきたのですが、豚の出汁がよくきいたコクのある味わいに「うーーーん、おいしい!!」と舌鼓。豚骨ラーメンのスープを思い出す風味でした。その後に、具材である豚肉や豚耳、じゃがいも、ひよこ豆、キャベツ、グレロ(ガリシア特産の葉野菜)がドーンと登場するも、結構な量があり完食不可・・・。飾らないおばあちゃんの味といった感じの料理で、大満足でした。
ちなみに飲み物は最初にガリシア地方のビール『エストレージャ・ガリシア』、それからは同じくガリシア地方のリベイロの白ワインを。このリベイロの白ワインは白い陶器の盃のような器で飲む習慣があるのですが、ここでも白い陶器のピッチャーと器が出てきました(今まで私が見た器とは少々異なり、外側に文様があるタイプ)。
ここ数年は‟バエ”るレストランがブームで、食べ物もフュージョン料理だったり創作料理だったりバエ重視(あまりおいしくないことも)。昔ながらのスペイン料理を食べられるお店が減っている印象があります。年齢のせいなのか、最近はそういう飾らないけれどおいしい料理が食べたくなるので、ここはアタリでした。
また、このレストランはお値段がイマドキめずらしくリーズナブルです。何もかも値上がりのご時世で、平日のランチセットが12ユーロ!! 前菜にメイン、パン、飲み物(リベイロのワインかビール、水、炭酸飲料1杯)にデザートかコーヒー付きです。前菜に私の好きなガリシア地方のスープ、カルド・ガジェゴ(ガリシア産の野菜や豆、じゃがいもが入ったスープ)があるので、食べに行きたいと思っています。
ほかに常時18.50ユーロのセットもあり、こちらは前菜にタパス3種を選べ(※1人ではなくテーブルで3種)、メインは牛ステーキかメルルーサという白身魚のガリシア風、それにパン、デザートかコーヒーがつきます。メインはさらに3種類のタパスにすることもできます。
昔から変わらない素朴でおいしいスペインの郷土料理を食べてみたい方は、ぜひ足をお運びくださいね。現時点ではWEBページはなく、電話で予約して行くか、当日直接お店に行くことになります。