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写真は12月6日の紅葉の頃の地蔵院です。
地蔵院の建つ西京区の山沿いのエリアには、松尾大社に月読神社、鈴虫寺や常住寺、
世界遺産の苔寺など見どころの多いエリアでもあります。
「竹の寺」の愛称で親しまれている地蔵院は、1367年に室町管領の細川頼之公が
夢窓国師の弟子の宗鏡禅師を招いて建立しました。
奥に見える本堂は1937年に再建されたもので、延命安産の地蔵菩薩が本尊として祀られています。
ここは、幼少期の一休さん(後の一休宗純禅師)が過ごしたお寺でもあります。
一休さんは、室町時代の明徳5年(1394年)この地で誕生しました。
その当時の朝廷は、南朝と北朝に分かれていたそうですが
地蔵院開基でもある細川頼之の尽力で、北朝に統一されました。
一休のお母様は、北朝、後小松天皇の寵愛をうけ身籠りますが、南朝の高官の血筋だったため、
難を逃れるために御所を去ります。
そして細川頼之の奥方の御縁を頼りに地蔵院・寺領地内の民家で明徳5年(1394年)御子を出産しました。
千菊丸と名付けられた御子が後の一休宗純禅師です。
その後、6歳で安国寺(京都市四条大宮にあった臨済宗の寺院)に入門するまで、この地で幼少期を過ごされました。
母子像の銅板には……
「一休が生まれたこの地は、ここ地蔵院のあたりらしい。
このあたりは竹藪の深い森が多い。地蔵院も「竹の寺」と呼ばれていた。
御所を追われた母子が暮すにふさわしい場所といえよう。
縁側に腰かけていると母に手をひかれた一休が、いまにも現れるように思えてならない」
水上勉「一休を歩く」より
12月初めの、色づいたもみじと竹林の世界に、
ただただ見入ってしまいました。
地蔵院の辺りは山が近くて、12月の今は午後4時を回ると夕暮れが訪れます。
きっと、一休さんが過ごした約629年前の頃は、
静かな深秋の世界が、広がっていたのでしょうね。
ぺージラストは今日(12月15日)の地蔵院の山門前風景です。
昨夜の雨で殆どの葉は、落葉していました。
季節は、春に木々が芽吹き、やがて青もみじの時。
そして紅葉の時があり・・落葉の頃へと巡って行きます。
巡る季節を思う、12月の地蔵院でした。