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以前にドレスデンのクリスマスマーケットに関して記事を書きましたが、ドレスデンの魅力がそれだけでは書き表せなかったので、クリスマスマーケット以外のドレスデンについて写真を踏まえながら振り返りたいと思います。それでは Los geht’s! (=Let’s go!)
町の中心地に向かって歩いていたところ、写真にあります可愛い信号機を見つけました。
ドレスデンはドイツ東部にある街です。ドイツの首都、ベルリンからまっすぐ南下した場所にある町で旧東ドイツ(ドイツ民主共和国・通称DDR)だったことから、信号に「アンペルマン(Ampelmann)」が今も使われていました。
「アンペルマン」とは、もともとベルリン(Berlin)で1960年代に生まれた歩行者用交通信号のデザインで、
現在も主に生誕の地ベルリンや旧東ドイツ(DDR)だった都市のほか、旧西ドイツの街でもたまに見かけることがあります。(例:ハイデルベルクなど)
東西ドイツ統一後は一時、東ドイツ産の「アンペルマン」が姿を消しそうになったこともあるようですが、当時の市民達の「アンペルマン」復活を望む声、運動の努力によって今も尚現代に生き続けているそうです。
時代の流れとともに変わりゆく現代に、今もなお歴史を感じることができるものがこのように残されていることは凄いことだと、ドイツでよく考えさせられます。
ドレスデンの象徴的なシンボルといえば、フラウエン教会(Frauenkirche)が印象的です。
この教会は、写真で見ると繊細で美しい教会ですがその歴史は破壊と再建の連続だったそうです。
1726年から1743年の間、建築家のゲオルク・ベアー(George Bähr)の指揮によりフラウエン教会は建築されました。ですが1945年の第二次世界大戦の際に、この美しい教会はドレスデンの爆撃による被害で崩壊してしまったと言います。
その後、約半世紀後の1990年代にフラウエン教会の再建が決定し、2005年に今の形として蘇ったそうです。
教会の目の前には、宗教改革を行ったMartin Luther(マルティン・ルター)像が立っていました。
ルターは1516年と1517年に、2回ほどこの場所をルターが訪れたことがあるそうです。
また、過去にバッハがこの教会でコンサートを開いたり、ゲーテが訪れたりしたこともあるんだとか。
この場をドイツの偉人たちがそれぞれの時代に訪れた地だと知ると、改めて歴史を感じました。
(元世界史履修学生の気持ち)
アイアーシェッケ(Eierschecke)
アイアーシェッケはドレスデンの名物というより、ザクセン州(Sachsen)の名物のようです。イースト生地で作られたケーキで、ドレスデンのアイアーシェッケは、写真で少しお分かりかもしれませんが3層で構成されています。土台のトルテ生地の部分、真ん中の白い層はクヴァルク(Quark)と呼ばれるフレッシュチーズの層、そしてふわっとした上部です。
フレッシュチーズの層が味を決めているように感じ、チーズのほのかな酸味と甘みが控えめの、とても食べやすいケーキで美味しかったです。
ゾルヤンカ(Soljanka)
ゾルヤンカは旧東ドイツ地方で食されているスープのひとつで、もともとはロシアからきたレシピとのことです。昔はウォッカに合わせる前菜として供されていたそうです。
写真のスープは、ドレスデンのクリスマスマーケット屋台で買うことができました。寒い中で食べる温かいスープは格別でした。
中身は一般的に、ソーセージなどの肉類を入れるレシピが伝統的なようですが、近年では肉無しで代わりにキノコをいれるもの、もしくは魚をいれるものなどバリエーションが豊富だそうです。
面白いのは、その味付けのひとつにピクルスとそのピクルスの漬け汁を使用することです。
これが味の決め手なのだとか。そのため、すこし酸味も感じられます。
また甘いパプリカパウダーと辛いパプリカパウダーの配合に具合によっては、甘めまたは辛めの味付けにもすることができるようです。
思い出したらまた食べたくなってきました。
プファンクーヘン(Pfannkuchen)
こちらは特にドレスデン名物というわけでなく、ドイツ全土で食べることができ、ジャムなどの甘いソースが中に入った揚げパンです。ドーナッツに近いです。
よくベルリーナー(Berliner)と呼ばれていることが多いのですが、
ここドレスデンではプファンクーヘン(Pfannkuchen)と呼ばれていることが今回の旅行で判明し、面白くて取り上げました。
ドイツ各地で同じものが全然違う名前で呼ばれていることに遭遇すると新たな発見を感じ、
いつも楽しくなります!
ドイツで有名なオペラハウスのひとつであるゼンパーオーパーは、1838年から1841年の間に建設された古い歴史を持つ建物でしたが、こちらも1945年第二次世界大戦に爆撃を受け破壊されたそうです。
再建は1977年に着手され1985年に完成したとのことで、ちょうど戦争による爆撃から40年後に再びオペラハウスとして人々もとに戻ってきました。
再建後1985年の公演プログラム内に、1944年に戦争の影響を受けてオペラハウスを閉鎖した際の作品「Der Freischütz」(カール・マリア・フォン・ヴェーバー作)が演奏されたそうです。感慨深い話です。
「世界一美しい牛乳屋さん」に行ってきたのですが、内部の写真撮影が禁止かつ犬も同伴不可ということで、残念ながら外観のみお届けいたします。
ただし店内の様子については、公式ホームページで3Dビューにてお店の様子を疑似来店体験できるページがありますのでこちらをご参考までにご覧ください!かなりリアルです。
私が訪れた日は平日の午前中だったのですが、写真にも見えます通り観光バスが立ち寄るほどの人気観光スポットで、店内は満員でした。
クリスマスマーケットの時期は、マーケットの観光と併せて、こちらのお店も観光スポットに組み込まれているのかもしれません。
店内はブルーを基調とした美しいタイル張りの内装で、歴史あるさまざまなオブジェやインテリアが飾られていました。入口を入ってすぐ目の前にはチーズが売られているショーケースがありました。
また、ショーケースの向かい側に、牛乳せっけんや乳白色のバスソルト、ショッピングバッグなどの雑貨も豊富に売られていました。
店内奥に進むと、雑貨を中心としたお土産コーナーも別で設置されていました。
また二階にカフェが併設されているため、新鮮な牛乳をはじめとした乳製品・ケーキや飲み物をその場で楽しむことができます。
店の外観は周辺の建物に馴染んで普通の為、一度は通り過ぎそうになるかもしれませんが、これらの看板やショーウィンドウの中を覗いてみると、美しい店内が見えると思いますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
ドレスデンは、旧東ドイツ(DDR)だった頃の名残を今でも感じるような片鱗を感じる一面と、繊細で美しい建築がたくさん点在する街だと感じました。
また歴史を紐解くと、かつては戦争の激しい戦火による甚大な被害を受けた街にもかかわらず、
それを忘れさせるように、人々がこの美しい街を復興・再建したことも分かりました。
数日の旅行では時間が足りないと感じたので、是非また訪れてみたいと思います!