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令和6年、能登半島地震および羽田空港の航空機事故において、尊い命を失われた皆様に
謹んでお悔やみ申し上げます。また、被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
皆様の安全と被災地の1日も早い復旧を心よりお祈りいたします。
石庭で有名な右京区にある龍安寺(りょうあんじ)へ、龍を訪ねに行きました。
方丈(本堂)では今、元首相・細川護熙氏が約3年の歳月をかけて描かれた
「雲龍図」襖絵40面が特別公開されています。
龍安寺は1450(宝徳2)年、室町幕府八代将軍足利義政の時代に創建された寺院で、
開基は応仁の乱で東軍の総大将をつとめた細川勝元です。
応仁の乱で1度は消失しましたが、勝元の子政元らにより再建されています。
国の重要文化財をはじめ、世界文化遺産にも登録されています。
1975年には英国のエリザベス女王が訪れ、石庭を絶賛されてから
日本国内にとどまらず世界的にも「ロックガーデン」と呼ばれ有名になりました。
龍安寺の敷地面積は広くて、総面積は約50万平方メートル(15万坪)、
東京ドームの10.7個分と、とても広いです。
龍安寺といえば石庭ですね。
枯山水の石庭は、75坪の敷地(幅22m・奥行10m)に敷詰められた真っ白い砂に、
大小15個の石が配されています。
作庭は室町時代といわれています。作者に関しては、開山である義天玄詔(ぎてんげんしょう)。
細川勝元、その子の政元、茶人の金森宗和など諸説がありますが、いずれも憶測の域を出ておらず、
謎のままになっているようです。
この15の石は、庭をどの角度から眺めてもすべてが1度に見えないように配置されています。
そもそも、禅の世界とはどういうものなのでしょうか。
調べると、禅とは、精神を統一して真理を追究するという意味のサンスクリット語を音訳した
「禅那」(ぜんな)の略で、坐禅修行をする禅宗をさす言葉とのことです。
万物に感謝し、無駄を省き生き方を見つめ直すこと。そんな根本的なことが禅につながるそうです。
白い砂に描かれた砂紋様と岩の世界。ただ眺めているだけで静かな心が広がります。
新春の龍安寺で必見なのが、元首相・細川護熙氏が約3年の歳月をかけて描かれた
「雲龍図」襖絵40面が本堂(方丈)にて特別公開されています。
龍安寺は1450年(宝徳2)、細川勝元によって創建されていますが、方丈(本堂、国重要文化財)
のふすま絵は当初、狩野派の絵師か、安土桃山から江戸初期に活躍した
絵師の海北友松(かいほうゆうしょう)による海北派によって描かれたと伝わって来たそうです。
ただ、明治維新の際に起きた廃仏毀釈(きしゃく)で寺は荒廃し、
ふすま絵は売却されました。
その後、ふすまには新しい龍の絵が描かれましたが、
傷みが激しかったそうです。
2013年に参拝した細川さんが、傷んだふすま絵を見て「よければお手伝いさせていただきます」と
新しい絵を提案され、約3年の歳月を費やして全40面の雲龍図が完成し奉納されました。
「雲龍図」は、ふすま40面に9つの龍が描かれています。
それは誕生したばかりから、老いた姿へと龍の生涯をたどれるストーリー性
のある大作です。
見応えある、細川護熙筆「雲龍図」襖絵特別公開は、2024年3月31日までです。
すばらしい雲龍図を拝見した後は、広い境内の散策路を歩きます。
四季折々の美しい風景が広がる池泉回遊式の庭園です。
庭園の春は桜、夏は睡蓮、秋は紅葉、冬は雪化粧と、様々な自然美が広がります。
散策路を歩くと鏡容池(きょうようち)に出ます。池の広さは約2500坪。
以上、1月の龍安寺には石庭と特別公開の龍の襖絵。
凛とした大気の中に、鏡容池の風景が広がっています。