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前回の龍泉寺の続きです。龍泉寺の境内は広く"龍王の滝″と呼ばれる滝修行をする場所があります。滝に打たれながら無心で祈ることにより、心身の穢(けがれ)を落として本来の自分に生まれ変わるといいます。この水が流れ出ている「青銅の龍」は、3年前に来た時は錆が浮き、くたびれたように見受けられましたが、新しく改修されていました。如意宝珠をふたつも持っていますね。
ここが滝行の場所です。毎年大寒の日に、寒さに耐えながら滝に打たれる寒行が行われます。今年は1月20日が大寒です。この日に修行をすることで、多くの功徳をもたらすと伝わっています。一般の方も参加できるので大願成就のために修行されるのもいいかもしれません。
この日も見事な刺青をされた方々が滝行をされる準備をしていました。
また、毎年7月第4日曜日には、「お滝祭り」という夏季大祭が行われます。御神輿(おみこし)の滝入りのシーンは、夏の風物詩として地元のメディアにもとりあげられています。
こちらは龍王池の近くにある「身代わり地蔵」です。右側のお地蔵さまは、初代で現在は2代目だそうです。この辺りは湿地も多く、夏にはサソウやサワギキョウなど珍しい植物が見られます。
境内の山道を登ったり、降りたりするとアスファルト舗装された道に出ます。両側には立派な石碑が並んでいます。
ここはもう、最上稲荷の奥の院でした。つまり、龍王山の頂上です。龍泉寺はこの龍王山の西側の中腹に位置します。龍泉寺から奥の院までは、景色もよくあっという間に着いたという感じです。
ここから最上稲荷までは1時間ほどです。噂には、巨石信仰の名残りをとどめた世界が広がっているとか。龍王山自体が、古代の山岳信仰の名残りが、あちこちに残っているようです。
また、今回は行けなかったのですが、「太閤腰掛岩」という岩もあるらしいのです。備中高松城の水攻めの時に羽柴秀吉がここ龍王山に陣をたてたのですが、その時に座っていたという岩です。秀吉の軍が、私が今歩いている同じ山中を歩き回っていたのかと戦国時代に思いをはせます。
お寺詣りや祭り以外にも春は桜にツツジ、夏は花菖蒲や睡蓮、湿地に咲くサギソウをはじめとする湿生植物、秋は紅葉と年中楽しめます。昨年から今年にかけてのNHKの「ゆく年くる年」でこの龍泉寺が紹介されたのでご覧になった方も多いと思います。2024年は龍にちなんだ龍泉寺にお出かけして見たらいかがでしょうか。