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冬の朝、渡月橋を渡って天龍寺へと向かいます。
新年からの京都は、雨が少なくて大堰川の水位も下がっています。
嵐山の地に建つ「天龍寺」は、臨済宗天龍寺派大本山の寺院。
後嵯峨天皇の亀山離宮があった土地に、足利尊氏が暦応2年(1339年)、
後醍醐天皇の霊を慰めるため創建した禅寺です。
初代住職は夢窓疎石(むそうそせき)。
広い境内の天龍寺ですが、創建当時の面積は今の10倍もの面積だったそうです。
その広さは約950万㎡(現在の嵐電帷子ノ辻駅周辺にまで及ぶ広さ)で、
子院は150ヵ寺を数えたといわれます。
しかし、長い歴史のなかで8回もの火災と明治時代に土地を奪われたことで、建造物や広い土地が失われました。
その後、復興が続き1935年には現在の「天龍寺」の景観へと整えられています。
境内を進むと、東端には勅使門・中門があり参道は西へ伸びていて、
その両側に並ぶ塔頭、正面の法堂、奥の大方丈・小方丈・庫裏・
僧堂・多宝殿等はすべて明治時代後半以降に再建されたものです。
参道を進むと法堂が見えました。
法堂には、すばらしい天井絵の雲龍図があります。
特別公開は、(土曜日・日曜日・祝日のみ公開)
※法堂参拝受付は法堂の西側にあります。
巨大な雲龍図は、天龍寺開山夢窓国師650年遠諱(おんき)記念事業として、
1997年に日本画家・加山又造画伯により描かれました。
雲龍図は天井(縦10.6m 横12.6m)直径9mの二重円相内に
躍動する見事な八方睨みの龍が描かれています。
360度どの角度から見ても睨まれているように見えることから、「八方睨みの龍」とよばれています。
法堂内は撮影禁止ですので、販売されている絵はがきで御覧下さい。
法堂の雲龍図を拝見した後は、方丈へと進んで行きます。
方丈に入ると正面玄関に置かれた衝立には、「達磨図」が掲げられています。
絵は禅宗の初祖で、インドから中国に渡って禅宗を始められた達磨大師です。
天龍寺前管長 平田精耕老大師によって力強いタッチで描かれ、天龍寺を代表する画として有名です。
大方丈内を進みます。大方丈は天龍寺のなかでいちばん大きな建物です。
方丈は、もとご住職の住まいだった場所です。天龍寺のご本尊釈迦如来が安置されています。
東は中門に対し、西は曹源池に面しています。
ここでは、襖絵として描かれたダイナミックな雲龍図が拝見出来ます。
写真撮影OKなのですが、アクリル板が反射してしまいます。
でも、すごい迫力です。
襖の雲龍図は富岡鉄斎の孫弟子にあたる「若狭物外」筆。
この大方丈から庭園へと目を向けると、夢窓礎石(むそうそせき)が作ったと伝わる
「曹源池庭園」(そうげんちていえん)の景色が広がります。
曹源池庭園は、約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめており、
わが国最初の史跡・特別名勝指定です。
庭園は、中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、嵐山や亀山を借景に取り込んだ庭園です。
以上、すばらしい曹源池庭園と雲龍図に出合える嵐山・天龍寺でした。