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JR札幌駅から徒歩2分。2024年5月に閉館が決まっている「センチュリーロイヤルホテル」の最上階にある「スカイレストラン ロンド」の人気メニューが、家庭で手軽に楽しめる「食の北海道遺産」のひとつして商品開発、販売することになりました。新たな"北海道土産"としてもおすすめの2品を商品試食会で体験した味とともにご紹介します。
目次
象徴的なフォルムと"回転するレストラン"で知られるセンチュリーロイヤルホテル最上階の「スカイレストラン ロンド」は、フレンチを提供するレストランです。
それと同時に1973年の開業以来(開業当時は「センチュリーローヤルホテル」)、回転展望レストランとして札幌および近郊の街の市民から人気を博してきました。
円筒フォルムの最上階は、ゆっくりと回転し、全面ガラス張りのレストランから札幌の街並みを全方位の眺望を見ながら食事を楽しめます。
提供するフレンチは、旬の食材をふんだんに使い、さらに素材を生かした種類豊富なオリジナルソースで彩る、目にもおいしい料理です。
2024年5月31日の閉館を前に、今月、2024年2月には閉館まで100日を切り、スカイレストラン ロンドは、連日、閉店を惜しむ予約客でいっぱいの状態だそう。
そのようななか、昭和から続いてきたスカイレストラン ロンドの味を閉店後に、家庭でも手軽に楽しめるようにと、今回ふたつのメニューが「食の北海道遺産」として、センチュリーロイヤルホテル総料理長の金子シェフ監修のもとで商品化されました。
北海道には、"次世代に引継ぎたい北海道ならではの宝物"として「北海道遺産」(「特定非営利活動法人北海道遺産協議会」運営。発足当時は「北海道遺産構想推進協議会」が運営)があります。
今回、発売のはこびとなったスカイレストラン ロンドのメニューは、札幌市内の3社、サツドラホールディングス株式会社、アイビック食品株式会社、株式会社トリプルワンが食に特化し"北海道の「名店の味」を未来に"残すべく立ち上げた「食の北海道遺産プロジェクト」として商品化しました。
食品のOEM生産を得意とするアイビック食品株式会社の技術、販売ルートをもつサツドラホールディングス株式会社、商品の広報などをおこなう株式会社トリプルワンと、各社の得意分野を結集し、同プロジェクトの商品づくり・販売を展開しています。
2021年1月の初リリースから、ザンギで有名な中華料理布袋の"布袋のザンギカレー炒飯の素」やハンバーグの人気店の「ノースコンチネントのハンバーグの素」などを商品化し、今回のセンチュリーロイヤルホテルは、第4弾。
発売した"食の北海道遺産"は、これまでサツドラ各店舗で販売、第4弾となる「ヴィシソワーズ」と「スパゲッティ センチュリー風」は、2024年5月にサツドラ各店舗で発売予定です。
こちらは「スカイレストラン ロンド ヴィシソワーズ」。
ヴィシソワーズは、じゃがいもとポロネギなどで作った冷製ポタージュです。
ヴィシソワーズは、スカイレストラン ロンドが夏季のフルコースに提供してきたメニューで、じゃがいものおいしさ、なめらかな口当たりとのど越しが魅力です。
商品化したヴィシソワーズは、じゃがいもの味わいと食感も感じられるポタージュで、なによりコク深い濃厚な味に満足感がいっぱいです。
北海道産牛乳と生クリームを使用しているそうで、いただきやすく、ボリューム感もあります。
夏には冷たくしてヴィシソワーズとして、そして冬には温めておいしく栄養たっぷりのポタージュとして、どちらも手軽に楽しめるホテルの味です。
今回、レトルトパウチ食品として商品化し、賞味期限が1年と長期保存にも便利です。
開発時には、玉ねぎなど加熱すると色が濃くなりやすいことも難しさのひとつだったそうですが、難点も克服し、見た目にも美しく、クリーミーでいただきやすいヴィシソワーズになっています。
「スパゲッティ センチュリー風」は、開業から同ホテルで提供していた和風パスタです。
第11回オリンピック冬季競技大会札幌大会の開催から間もない開業当時、パスタは一般的に"スパゲッティ"と呼ばれていました。
当時の人気メニュー名へのオマージュも込めて、あえて商品名に”スパゲッティ"を採用したそうです。
そしてその頃、スパゲッティといえば、ナポリタンやミートソースが主流で、東京・渋谷発祥の"和風パスタ"はブームになっていたようです(一説では、ナポリタンだけではなくミートソースも日本発祥だそう)。
センチュリーロイヤルホテルでは、当初、厨房のまかないとして作っていた和風パスタをレストランでも提供をしたところ、「スパゲッティ センチュリー風」、"スパセン"の愛称で人気を博したそう。
現在は、センチュリーロイヤルホテルで提供はしていませんが、特に思い出がある人も多く、人気メニューのひとつだったスパセンを次世代に残したい味覚、家庭で手軽にスパセンを作ることができる"ソース"が誕生しました。
今回、センチュリーロイヤルホテルで試食会があり、スパセンは、当時のレストランで提供していた和風スパゲッティと、食の北海道遺産として商品化したソースで調理したパスタを食べ比べの機会をいただきました。
そしてこちらの写真↑がレストランで実際にいちから調理した和風スパゲッティです。
醤油ベースでバター香る味つけは、なじみ深い間違いのないおいしさ。
残念ながら、筆者はリアルタイムで提供していた当時のスパセンを味わったことはありませんが、昭和レトロを瞬時に思い起こすような上品で懐かしい味の和風スパゲッティでした。
ちなみにこちらの写真(↑)が、当時、センチュリーロイヤルホテルのレストランで提供していたスパセンだそう。
鉄板でジュージューという音とともに提供していたそうです。
そして、こちら(↑)が「スカイレストラン ロンド スパゲッティ センチュリー風ソース」で作ったスパセンです。
今回のように、本家の料理と商品化したもので再現した料理を食べ比べたのは初めてですが、時間を置かずに続けていただいたにもかかわらず、限りなく本家に近い味わいに感じ、とても驚きました。
ちなみに、当時レストランで提供していたスパセンは、コショウとトッピング用の刻みのりを用意していたそうですが、特にどちらもたっぷりトッピングするいただき方が人気だったそう。
それにならい、どちらのスパセンも刻みのりとコショウトッピングでもいただきました。
醤油とみりん風味の”スパゲッティセンチュリー風ソース"は、可能な限り手軽な調理でも本家のスパセンの味を楽しめるように試行錯誤を重ねて作ったそうで、豚肉と2倍に希釈したソースの半分を炒め、そのあと好みの具を加えて炒めたあと、茹でたパスタ(塩を加えなくてOK)を加えて汁気をとばすだけというシンプルな調理法。
ソースの量や希釈度を加減するだけで、好みの塩加減にすることもできます。
おいしさはもちろん、札幌の懐かしいプロの味が再現され、これからは家庭で味わい続けられる点でも感慨深い商品だと思いました。
ちなみに、ヴィシソワーズとスパセンソースの容器の形に興味をもった方もいるかもしれませんが、ヴィシソワーズの箱にソースの円筒形容器を乗せると、なんとセンチュリーロイヤルホテルの外観になる! というおちゃめな発想にも感動。
なお、2024年5月の店頭販売に先駆け、購入型クラウドファンディング「食の北海道遺産プロジェクト~センチュリーロイヤルホテル~」(2024年3月17日終了)も展開中です。
「センチュリーロイヤルホテル 人気メニューセット」として300セット限定で募集しており、3月下旬にリターン商品を発送予定だそうです。
2024年2月27日にスタートしましたが、早くも150セットが支援されているので、興味がある方はお早めにチェックしてみてください。
センチュリーロイヤルホテルは2024年5月31日で閉館しますが、2024年5月以降、同ホテルの人気メニューは、お土産として楽しんでみてはいかがでしょう。