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見渡す限り、色とりどりの花が咲き誇る花見山。「福島に桃源郷あり」と言われる、美しい花の名所として知られています。今回はそんな花見山で過ごす、春のお散歩コースをご紹介。福島在住の友人と巡ってきたので、その魅力をお伝えします。
福島駅から車で約15分ほどの場所にあるのが、今回の目的地「花見山」です。近づくとあたり一面、山々がピンクやイエローに色付いていて思わず見入ってしまいます。開花シーズンは、路上駐車・渋滞防止のためマイカー規制をしていますので、訪れる際はHPをご確認ください。
「花見山」の周辺、くるみ川沿いには「NPO花見山を守る会」が整備する「生け花の里」があり、ここからの眺めも見応え抜群。歩いているとフォトスポットマークがあるのでぜひ探してみてください。鮮やかに色づいた山々を背景に撮影したり、周辺散策を楽しみながら花見山を目指しましょう。
今でこそ、花の名所として知られている花見山ですが、ここは花卉農家の故・阿部一郎さんとご家族が70年以上かけてつくり上げた場所。戦後の混沌とした社会のなか、暑さ寒さに耐えて咲く花々の美しさは、人々の将来への希望を想う大きなはずみになっていたそう。地域の方々の協力もあり、少しずつ花が増え、現在ではあたり一面にさまざまな花が咲き誇るようになりました。
写真家の故・秋山庄太郎氏は「福島に桃源郷あり」と称賛し、花見山に何度も足を運んだそうです。桜だけでも10数種類あり1年中楽しめますが、桜以外にもボケやモクレン、ハナモモなど色とりどりの花が山を埋め尽くす春の姿はまさに圧巻。山歩きをしながら、小1時間歩くだけでも満足感があります。
花見山公園の入口は、石碑が目印。私有地ですが6:00〜18:00の間、訪れた人に開放してくれています。花見山公園内の見学コースは、30分コースと45分コース、60分コースの3ルート。登山が不慣れな方も歩けるように、杖の貸し出しもしています。
ゆるい上り坂が続く中、途中、信夫山などを眺めることができます。ところどころにルート表示があるので、初心者でも登りやすく安心。花見山で受け取れる「花見山ガイドまっぷ」の表紙は、30分コースの頂上あたり。45分コース、60分コースとの分岐点から、少し進んだ場所にあります。
表紙になっているだけあって、濃淡のあるピンクやイエロー、瑞々しい若葉の色が混じり合い、正に桃源郷のよう。花見山に来たら必見のスポットです。奥の山々まで色付いて、息を飲む美しさ。花見山は、ボランティアガイドの花案内人の方がいて、山の歴史や花について教えてくれるので、ぜひお話を伺ってください。私も目の前で咲いている花をご説明いただき、山歩きをさらに楽しむことができました。
麓近くまで下ってくると、期間限定でオープンする花と緑の郵便局があるので、旅の思い出に立ち寄ってみるのもいいかも。花見山限定の記念切手などを販売しています。
花見山の高台にあるのが、イタリアンレストラン「コルティーレ」。店内からは、花見山に咲く花と山々の景色を眺めることができる人気のお店です。私が伺ったときも、オープンを待ち侘びて、お客さまが開店前から並んでいました。
「コルティーレ」は春夏秋冬、移り行く景色を愛でながら食事ができる隠れ絶景スポット。窓際の席は、すぐに埋まってしまいます。今回は、旬の野菜を使ったコースランチを注文。コースは、サラダと前菜4品、スープ、ドルチェ、ドリンクがセットになっています。サラダにかかっている濃厚なドレッシングは絶品。前菜のゴボウスープは、とろっとしていて素材の味がしっかりと生きていました。
私はメインに魚を選んだのですが、2種類ありボリューム満点。スイーツは、イタリアの伝統的な焼き菓子「アマレッティ(杏風味)」とシフォンケーキ、パンナコッタがあり、ランチコースを食べ終える頃には満腹で幸せ気分に。花見山を歩いて、ほっとひと息つきたい方は「コルティーレ」にお立ち寄りください。