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退勤後に車を走らせ、首都ドゥシャンベの西方約30kmに位置するヒッサールのタバカ屋さんを訪れました。
「美味しい」は、記述がない限り筆者個人の主観です。
良い部分をピックアップできるよう、2回以上利用し、3種類以上のメニューを味わよう心がけています。
食の水準は発展途上であるという見方もあります。批評に終始せず、明るくユーモラスなレポートとなるよう心がけます。
本稿は「安全」のお墨付きではございませんので、旅行者の皆様におかれましてはくれぐれも体調とご相談の上で、利用をご検討ください。
タバカとはジョージアやコーカサスの広域で親しまれる鶏料理です。ソ連時代には既に構成諸国に浸透しており、ソ連崩壊後も日常料理として定着しました。
地域毎に様々なアレンジが存在すると推察しますが、大まかな調理方法としては、切り開いた骨付きの鶏もも肉を平らになるように軽く押し当てながら焼きます。事前に様々なスパイスやハーブ、ワインやお酢で作られたソースに浸されて味が浸みこまれているのが大きなポイントです。程よい酸味とカリっとした表面の食感が病みつきになる一品です。
タジク語で「ショミ・カルア (Шоми Қалъа)」と呼ばれる同店は地元民お墨付きの有名店ですが、タジキスタンのその他多くの名所がそうであるように、日本語はおろか英語でさえ得られる情報が乏しいため、短期滞在の旅行者には知る由もありません。
暮らす過程で地元民から有益な情報を手繰り寄せるというのもまた、タジキスタン駐在の醍醐味と言えるでしょう。
正門をくぐると、やけに長い大層なタバカ・ロードが敷かれています。
趣のある泉が出現したと思いきや、ディテールに意識を向けるとどこかクスっとしてしまいそうな出来栄えが何ともタジキスタンらしいです。ヴィーナスの足の指は果たして何本あるのでしょうか。
水が流れる景観を持つ飲食店は少なくありません。山脈に囲まれ水量が豊富なタジキスタンならではの光景でしょうか。
屋外の席が開放的である一方、屋内の席はプライバシーが確保されるよう視界を遮るカーテンや仕切りが置かれています。これはタジク料理店でよく見られる、一般的なセットアップです。
実用面で難はあるものの、装飾が施された値の張りそうなテーブルも一つのタジキスタンらしさであると言えるでしょう。間に挟まったままの埃はご愛嬌。
1人前: 40ソモニ (約551円)
やや小柄ですが、美味です。
1人前: 12ソモニ (約165円)
寒い時期にはビリンチョバが一番です。サワークリームのような白いソースのトッピングはありませんでしたが、シンプルで身体の温まるお粥のようなスープです。
1尾: 125ソモニ (約1722円)
専門店で主力ではない料理を頼むことにも特有の楽しみがあります。内陸国であるタジキスタンにおいて、魚介類を注文することにはリスクも伴いますが、挑戦しないよりもした方が良いでしょう。ロシア語でざっくりと「パーチ」とされていますが、魚種の詳細は不明です。また、意外にもマス (ニジマス) の養殖は盛んですが、どの程度の品質管理が成されているのかは定かではありません
1人前: 18ソモニ (約248円)
何を盛りつけたとしても、誰かがそれを「サラダ」と見なすのであれば、それは「サラダ」なのです。タジキスタンで暮らしていると、自身の許容範囲が広がり、心が広く柔軟な人間になります (筆者の主観)。現代の日本人にこそ訪れる価値のある場所、もしかすると、それがタジキスタンなのかもしれません。
意外にもタジキスタンでは今もクマが生息しています。オオカミも生息しており、山間部では獣害も報告されています。かつて中央アジア広域に生息していたカスピ・トラが最後に目撃されたと言われているのも、このタジキスタンです。何ともロマンがあります。
記載価格は2023年11月17日時点、OANDA(151円=1米ドル)とタジキスタン国立銀行(1米ドル= 10.96ソモニ)発表の両替レートに基づいて算出しています。