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アフリカと言えど、首都ともなれば、欧米でも目にする大手フランチャイズの商品を目にすることがしばしばあります。ウガンダにおいては米KFCやピザハット、コカ・コーラ社(Coca-Cola Beverages)が進出しています(最も水源を握る主要アクターがコカ・コーラ、あるいはネスレでない方が珍しいかもしれませんが)。カフェの場合、東アフリカで人気を博するケニアのJava Houseや、ウガンダ発祥のCafé Javasも小奇麗で外国人には人気です。
食べ慣れた味、あるいは見慣れたロゴが付いた食べ物を欲する気持ちが分からなくもないですが、筆者はどうしても、見慣れない「何か」への探求心が募って止みません。カーネル・サンダースの大きな看板を素通りして、混み入った路地に目当ての店を探します。
「美味しい」は、記述がない限り筆者個人の主観です。
良い部分をピックアップできるよう、2回以上利用し、3種類以上のメニューを味わよう心がけています。
食の水準は発展途上であるという見方もあります。批評に終始せず、明るくユーモラスなレポートとなるよう心がけます。
本稿は「安全」のお墨付きではございませんので、旅行者の皆様におかれましてはくれぐれも体調とご相談の上で、利用をご検討ください。
首都カンパラ北東部に位置するンティンダ(Ntinda)を訪れました。多くの小売店や飲食店が軒を連ねる活気のある地域です。朝刊の記事で「Ntinda's oldest cross-generational bar and restaurant(世代を超えて愛される、ンティンダ最古のバー & レストラン)」等と紹介されていたため、どうしても行ってみたくなりました。
なにやら同店は、COVID-19パンデミック最中、飲食店に設けられた政府の規制を回避するために、付け焼き刃で店名に「Restaurant」の単語を付け加えたとのことです。
ンティンダ最古というステータスに興奮していた筆者ですが、記事をよく読んでみると、どうやら開業は2000年台に突入して以降の出来事であったようです。同店はンティンダで本格的な開発が始まる前から地域に根差したビジネスを展開していたようです。
黄色いシャツを着た男性店員に「これ(新聞記事)を読んで、ここに来た」と告げると、「ここに写っているのはおれだ!」と嬉しそうに挨拶に応じてくださいました。やや手狭ながらも、明るく開放感のある空間でしたが、飲食用のスペースは建物の裏側に位置しているとのことでした。
筆者は未だアフリカを語ることができるほど理解が深い段階にはありませんが、何とも筆者自身が経験したことのない「地元感」を体感し、胸が高鳴ります。中央アジアのイスラム圏で見慣れた幾何学模様とは似ても似つかない鮮やかな模様・配色です。立体駐車場の中にある柱に見えなくもないですが、オレンジと黒という配色に強く好感を覚えます。
理解に至るメニューの一切を選択肢から排除し、見慣れない固有名詞を血眼で探します。
このメニュー上の唯一の正解は、そう、「Luwombo(ルウォンボ)」です。「Beef Luwombo」、「Chicken Luwombo」、「Fish Luwombo」等いくつか種類があるようです。価格的にもメインディッシュであることは確実なので、ウガンダで最も人気な食用精肉と言われる鶏肉のルウォンボを注文しました。
1人前: 15000ウガンダ・シリング (約606円)
ルウォンボなるものと巡り合えたことで既に使命を果たしていたため、美味しいか否かはさほど問題ではありませんでしたが、とても美味しいものでした。
ブガンダ王国の伝統料理であるルウォンボは、バナナの皮を器にして提供される煮込み料理です。同席した運転手マイケルによると「悪いものは一切入っていない。健康料理だ。」とのことでした。確かにその通りであると感じられました。見た目とは裏腹に味はあっさりとしており、薄めの味であるものの、しっかりとチキンや野菜の旨味がにじみ出ています。
1人前: 10000ウガンダ・シリング (約404円)
メニュー表記上は単なる「フード」となっていますが、当地では主食を意味するようです。複数の主食の中から好きな物を3つ選んで注文します。マトケ、ベジタブル・ライス、ポショ、キャッサバ、サツマイモ、じゃがいも、カボチャなどから選択が可能です。マトケ等は冷めると少し硬くなってしまうため、熱々のルウォンボに浸していただくと素晴らしい食感と味覚のハーモニーが出来上がります。
「バナナをマッシュポテトのようにするなんて…」と、つまらない固定概念を抱いていたせいで、マトケの完食には苦戦しましたが、全体的に非常に美味で大満足の昼食となりました。
ルウォンボはお祝い事がある際に用意される少し特別な料理だそうです。家庭毎のバラエティーが存在するようなので、カンパラから離れた地方で賞味する機会も楽しみです。
記載価格は2024年4月12日時点、OANDA(153.085円=1米ドル=3,788.75シリング)発表の両替レートに基づいて算出しています。