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ヘレン・ケラー、ジョン・レノン、チャールズ・チャップリンなど、多くの著名人に愛されてきた箱根・宮ノ下にたたずむ「富士屋ホテル」を訪れました。1878年に創業し、1997年には建物の多くが登録有形文化財に指定。その後、2年以上に及ぶ大改修を経て2020年、"新生"富士屋ホテルが誕生しました。今回は、そんなクラシックホテルの代表とも言える「富士屋ホテル」に宿泊してきたので、その魅力をご紹介します。
「富士屋ホテル」は大規模な耐震リューアル工事を経て、2020年に"新生"富士屋ホテルとして生まれ変わりました。私も何度も宿泊させていただいているのですが、リニューアル前後で比べてみると、古き良きノスタルジックな趣きはそのままに、館内が非常に快適になっていて、ますます好きになってしまいました。
本館の大階段はもちろん、各所にある装飾などはそのまま残っており、いい意味で時の流れを感じます。柱の彫刻や艶やかな手摺りを、一つひとつ愛でながら歩くのも楽しいひととき。
同ホテルは、館内をふらりと歩くだけでも見応え抜群。富士屋ホテルギャラリーに立ち寄ったり、レトロかわいいポスターを見つけたり。ふと天井を見上げると、雰囲気のあるライトが目に入ったりと、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力です。晴れた日はもちろん、雨の日もゆっくり過ごせるので、自分だけのお気に入りスポットを探してみてください。
個人的におすすめなのが「ホテル・ミュージアム」。富士屋ホテル誕生から現在までを記した「富士屋ホテル史料展示室」がリニューアルしたものなのですが、積み重ねてきた140年という時間がギュギュッと凝縮されています。同ホテルを訪れた世界各国の著名人の写真などもあり、目が釘付けに。試行錯誤を重ねて紡いできたホテルの歴史や思いを垣間見ることができる特別な空間です。
同ホテルには、「本館」「西洋館」「花御殿」「フォレスト・ウイング」の4つの宿泊棟があり、それぞれ特徴が異なるのでどこに宿泊しようか迷いましたが、今回は「フォレスト・ウイング」をセレクト。目の前に箱根の森が広がり、モダンななかにも和のしつらえが落ち着いた雰囲気の客室です。
フォレスト・ウイング6階には、宮ノ下温泉を堪能できるスパがあるのですが、ここがまた絶景。箱根外輪山の雄大な景色を見ながら、ゆっくり湯浴みを楽しめます。宮ノ下温泉は、江戸時代、箱根七湯のひとつに数えられた名湯。箱根観光で疲れた体は、サウナで整えることもできるので快適です。パウダーコーナーも十分な広さがあり、リフレッシュできました。なお、すべての部屋にあるお風呂も、蛇口をひねると源泉100%の温泉を楽しめます。高温なので、お部屋で温泉を楽しむときは、十分に温度調整してからゆっくり堪能してください。
宿泊したらぜひ体験していただきたいのが、早朝散歩。庭園は朝5:00から歩くことができるので、朝露にしっとりと濡れた植物や、サワガニにお目にかかれることも。階段を登ると、幸福の丘やハーブガーデンもあり非常に気持ちいい場所です。
ハーブガーデンで育てたハーブは、ホテル内のレストランでも使われているそう。水車の近くでは、運がよければ、夏に蛍と遭遇することもあるようなので、四季折々の美しさを味わってみてください。
「富士屋ホテル」から足を延ばして訪れたのは「箱根ガラスの森美術館」。箱根仙石原にあるヴェネチアン・グラス専門の美術館です。光を浴びて、キラキラ輝くガラスは思わず見惚れてしまいます。
同施設内には「ヴェネチアン・グラス美術館」があり、15世紀から19世紀にかけてヨーロッパ貴族を熱狂させたヴェネチアン・グラスがズラリと並ぶ姿は圧巻。7月15日(月)までの期間限定で、入口にヴェネチアンマスクなどフォトプロップスもあるので、撮影も楽しめます。
同施設内にあるカフェ・レストランは鉄板料理「うかい亭」を運営するうかいのブラッスリーグループ総料理長・細渕賢一が作り上げる本格的なメニューを堪能できるおすすめスポット。毎日6回、各15分公演で、ピアノやヴァイオリンなどの生演奏を聴きながらお食事ができる贅沢な空間です。
今回はランチメニューをいただいたのですが、桜海老のクリームパスタの桜エビの量にびっくり。しっかり海老の出汁が効いていて、一気に食べ進めてしまいました。カプレーゼは、フルーティなトマトとフレッシュチーズが相性抜群。サーロインステーキは、中はしっとり、外は香ばしい仕上がりに。お友だち同士でも、ご家族でも、デートでも、満足すること間違いなしのお料理です。
*展示やカフェ・レストランのメニューは、季節によって変更になる可能性がございますので、詳しくはHPをご確認ください。
「ポーラ美術館」は仙石原にたたずむ、自然豊かな美術館。開放感のある空間に、印象派をはじめとした西洋絵画から現代アートまで、幅広い作品を収蔵・展示しています。訪れたときは「HIRAKU Project」を開催しており、大西康明さんの作品にお目にかかることができました。現在、こちらの展示は終了しています。
館内の「レストラン アレイ」では「TABLE FOR TWO」メニューの「野菜と魚介のせいろ蒸し」をいただきました。「TABLE FOR TWO」とは開発途上国と先進国の「食」問題の同時解決を目指した、日本発の社会貢献運動のこと。日本の美術館として初めて「ポーラ美術館」で本格的に導入しました。
同美術館では、6月8日(土)より新たな企画展が始まります。何度訪れても胸が高鳴る美術館なので、新たな展示作品も楽しみにお待ちください。
同じく仙石原エリアにあるのが「箱根ラリック美術館」。同美術館には、箱根の急勾配の山を登り運ばれた本物のオリエント急行の車両があるんです。パリと南フランスを結ぶ「コート・ダジュール特急」として使用された、実物の車両内でいただくティータイムは格別。
メニューは日替わりスイーツ(ティーセット付き)のみですが、美術品に囲まれていただく特別な空間は、訪れる価値あり。ラリックが製作した列車の室内装飾や、装飾パネルは必見です。