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今月5月18日にパリ日本文化会館で建築家の隈研吾さんらが登壇した講演会「パリで発信!和歌山の魅力∞」が行われました。同館では現在、東京五輪の競技場建築というテーマで丹下健三さんと隈研吾さんにフォーカスした「丹下健三と隈研吾展 -東京大会の建築家たち」や、特別展に伴った講演会も開かれており、隈研吾さんの登壇の多い月になりました。
世界各所で建築を展開する隈研吾さんが代表を務める隈研吾建築都市設計事務所ですが、和歌山県とは2022年2月に「建築デザインの力による地方創生の実現に資する包括連携協力に関する協定」を締結。2022年11月に和歌山市に、国内では北海道、沖縄県に次ぐ3ヵ所目となる新サテライト・オフィスを開設するための進出協定を締結しています。
隈さんは「和歌山のことを気になっていた。木の産地というだけでなく場所に力がある。その和歌山を今日は知っていただきたい」と和歌山県の魅力を自らの建築とからめて説明。同事務所の増子宏昴さんが担当して和歌山県有田市に建てられた有和小学校と、和歌山市内のパークビズ和歌山も紹介しました。
また同事務所が和歌山紀州産のアカネ材を使いデザインした椅子2基「AKANE」も初披露。アカネ材とは、スギノアカネトラカミキリの幼虫が樹木を食べた跡が現れた木材のこと。見た目が損なっているため今まで価値の低いものとされてきましたが、その虫食い跡を木材の個性として捉えて前面に出した家具となっています。
和歌山県は熊野古道や高野山など多様な観光資源を抱える地域です。代表的なものが、和歌山県、奈良県、三重県にまたがる3つの霊場と参詣道。これらを「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています。
また、和歌山県南部9市町村と奈良県吉野郡十津川村を対象とする南紀熊野ジオパークは、プレートの動きによって生み出された3つの大地で成り立つエリア。徴的な地形や巨岩、奇岩など独特の景観と、温暖湿潤な気候がもたらす多種多様な動植物によって構成されています。2014年には日本ジオパークに認定されています。
和歌山県の担当者は「数多くの優れた自然と文化を体感できる場所。フランスの皆さん、世界の皆さんに知っていただき、多くの人に訪れていただきたい」と呼びかけ。県の魅力をアピールしました。