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異国情緒漂う函館で、「歴史がある港町には、"おいしいパン屋さん"が似合う!」と訪れた老舗の人気ベーカリー「キングベーク」をご紹介します。
目次
函館でおいしいパンを食べたい! と訪れた「キングベーク本店」は、朝7時からオープン。
函館朝市と同様、朝早くから営業しているパン屋さんです。
週末の朝7時台にもかかわらず、20台分以上ある駐車場は、入れ代わり立ち代わり訪れるお客さんの車でいっぱい。
朝食用のパンを求める地元客が次々とやってきます。
7時のオープン時刻後、間もなく入店しましたが、すでに多くの種類のパンが焼きあがり、店内は焼き立てパンの香りが満ちています。
そして店の奥を見ると、オーブンから出たばかりのパンが店頭に並ぶタイミングを棚の上で待っている光景も目に入ります。
さまざまな種類のパンがお店に並んでいる様子は、本当に壮観で見ているだけで幸せな気持ちになるほど。
昔ながらの定番人気パンから、パニーニなど近年の人気パンまでを販売する「キングベーク」は、1929年(昭和4年)に函館市松風町で創業、1952年(昭和27年)に法人化した老舗のベーカリーです。
陳列されたおいしそうなパンはもちろんのこと、お店に並ぶほかの商品やサービスを見ると、2029年には創業100年を迎える「キングベーク」の人気のヒミツがわかる気がしました。
テイクアウトでリピートしても、なかなか制覇しきれないほど種類豊富なキングベークのパン。
種類の多さだけではなく、素材にこだわった「キングベーク」のパンは、北海道産の小麦粉とバターを使用しているそう。
お店の人気商品ナンバーワンは、「マフィンプレーン」(110円・税込/以下、価格はテイクアウト価格・税込)。
お手ごろな価格にも引かれますが、食べるとふわふわ、どこかしっとりとした食感が特徴です。
そしてふわふわながら、食べ応えもあるサイズ。
ほんのり優しい甘さは、朝食でも、おやつでも食べたいおいしさです。
こちらも人気商品「函館キングあんぱん」(190円)。
中は、小麦が香る生地の端まで、つぶあんがぎっしり入っています。
「ごまあんぱん」(190円)、栗とつぶあんが入った「薄皮栗あんぱん」(250円)もあります。
しっとりと上品な口当たり、つぶあんの多さに魅了されました。
一方、あんぱんと同じように懐かしさを感じるパンがありました。「揚げパン」(120円)です。
コッペパンをなんと"オリーブオイル"で揚げているそう。
多くの人が給食のパンを思い起こさせる昔懐かしい揚げパンですが、「キングベーク」ならではのこだわりは、"揚げ油"にもありました。
ほっこりした気持ちになる懐かしいパンのラインアップに加え、本格的洋風パンもあります。
写真は、焼き立ての「クロワッサン」(260円)。
週末のこの日は、オープン時刻から1時間も経たない時間帯でしたが、北海道産小麦に北海道産バターを練りこんだ「クロワッサン」は、次々と購入されています。
総菜パンやスイーツ系のパンも充実しており、「イタリアンパニーニ」(280円)や「クロックムッシュ」(250円)、「ダークチェリータルトパン」(250円)や季節のフルーツを使ったパンなどに加え、から揚げやコロッケなどのお惣菜も充実。
主食からお惣菜、デザート系までがすべて揃えられるラインアップです。
ちなみにお惣菜の揚げ物もすべてオリーブオイルで揚げているそうです。
北海道産の小麦とバターなど、パンの素材にこだわっている「キングベーク」ですが、さらに健康にフォーカスした商品があります。
それが北大発ベンチャーが開発した乳酸菌「Clark乳酸菌」を練りこんだ商品です。
あんぱんやクリームパンなど、Clark乳酸菌入りのパンも数種類から選べます。
乳酸菌とのことで、"腸活"を意識している方には、特に嬉しいパンです。
老舗ベーカリーですが、和食派にも嬉しい「おにぎり」を販売。
「おにぎり」には、道南エリアで生まれた人気のお米「ふっくりんこ」を使い、無添加海苔(有明海産)や無添加佃煮、無着色たらこなど、おにぎりの素材にもこだわりがあります。
おにぎり販売は、2023年から開始したそうで、具の種類を見てもこだわりを感じます。
有機米の塩おにぎりや、北海道産山わさびを使ったおにぎり。
そして、各地のおいしいものを選りすぐった具材として「紀州産A級南高梅」や「秋田県産いぶりいがっこ」など。
「スパムサンドおにぎり」や「キンパ風サンドおにぎり」「とんかつサンドおにぎり」などのよりボリュームがある具材のおにぎりもあります。
見ているだけでも楽しくなる種類のおにぎりですが、ここでも"Clark乳酸菌"を使っているそう。
健康にも気遣いながらおいしくいただけるおにぎりです。
ちなみに「紀州産A級南高梅」のおにぎりをいただきましたが、やさしい酸味の梅が想像以上にたっぷりと入っていました。
そしてもうひとつ、「キングベーク」で感動した商品は、"北海道産岩のり"のおにぎりです。
札幌などの道央圏では、ほとんど見ることがないといっても過言ではない"岩海苔おにぎり"は、道南に来ると食べたいグルメのひとつです。
一般的な焼き海苔のおにぎりとは、歯ごたえがまったくことなり、甘辛く味つけされた存在感ある岩海苔をご飯に巻いたおにぎりで、その食感と風味は、断然おすすめしたい函館グルメです。
これまで、道南の居酒屋などで岩海苔のおにぎりを食べたことがありますが、テイクアウトでいただけるとは思ってもみませんでした。
「キングベーク」では、道南産の岩海苔を使っているそうですが、時期によっては、松前産(函館の隣町、松前町)の岩海苔を使うそう。
「キングベーク本店」に再訪した際は、運よく「松前産岩のりおにぎり」(500円)を発見。
「松前産岩のりおにぎり」は、ほおばると、磯の香りが口いっぱいに広がりました。
「キングベーク本店」は、テイクアウトのパンが人気のベーカリーと思っていましたが、人気の理由は、充実したイートインメニューにもありました。
店内で購入したパンをイートインスペースでいただくこともできるほか、モーニングセット(7時~11時ラストオーダー)、ランチメニュー(11時~13時ラストオーダー)、スイーツメニュー(13時~18時ラストオーダー)そしてレギュラーメニュー(7時~18時ラストオーダー)と、1日中利用できるイートインサービスでは、しっかり食事&軽食、コーヒーブレイクも楽しめます。
こちらはモーニングセットの「Aセット」(500円)。日替わりパンにゆで卵、ソーセージ、ヨーグルト、コーヒーがセットになっています(厚いパンに隠れていますがソーセージが2本ついています)。
厚切り食パンは、食べ応えがあり、個人的にはおかわりをする前に十分満足するボリュームでした。
そして「Bセット」は、ベーコン&半熟卵のオープンサンドセットで、コーヒー付きで500円、トースト・ゆで卵の「トーストセット」(370円)もコーヒー付き。
また、「Aセット」と「トーストセット」は、トーストのおかわりが無料で、以上のモーニングセットは、コーヒーのおかわりも無料だそう。
一方で、和食の「おにぎりセット」(600円/7時~13時ラストオーダー)もありました。
選べるおにぎりが2個と岩のり味噌汁のセットです。
おにぎりの種類は、鮭・おかか・チーズおかか・山わさび・山わさびとスモークサーモンなどの全7種類。
セットには箸休めの"いぶりがっこ"も付いていました。
写真は鮭おにぎりです。
「キングベーク」のおにぎりは、これまで食べたなかでは、いずれも具がたっぷり入っていて、海苔もおいしくワンランク上のおにぎりという印象です。
岩のりのお味噌汁も道南ならではの味で美味でした。
今回はモーニングのセットメニューをいただきましたが、営業時間内はいつでもオーダー可能なレギュラーメニューには、「カツサンドセット」(コーヒー付き・680円)をはじめ「キングカツカレー」(680円)、「カレーうどん」(440円)などもあります。
「キングベーク」では、パンのほかにお土産も販売しています。
特におすすめしたい商品のひとつが、函館土産として知られ、お土産屋さんなどで見かける「函館ラスク」(1箱540円)です。
こちらは「キングベーク」のオリジナル商品です。
ひと口サイズのキューブ型ラスクで、フレーバーのバリエーションも甘いものからチーズ味まで豊富です。
食べやすいので、自分用のおやつや、お酒のおつまみにも合います。
こちらは「ハコダテヨウカン」(1個378円)。
こちらも「キングベーク」オリジナル商品で、フレーバーは黒糖・ごま・抹茶のほかチョコレートを使ったものも。
パンやおにぎりにも使われていた「クラーク乳酸菌」を配合した商品でもあります。
北海道ゆかりの花をモチーフにしたパッケージもかわいらしく、函館土産にぴったりです。
また、パンのお供にぴったりの無添加コンフィチュールやチーズ、バター、ドリンクも販売しています。
焼きたてパンのテイクアウトと一緒にパンのお供も購入し、景色のよい場所やホテル客室で「キングベーク」の味を楽しむのもおすすめです。
「キングベーク」は、こだわりの素材を使ったパンや食事メニュー、サービスの価格や扱っている商品のラインアップなど、お店で目にするもの、経験したことなど、いずれもなるほど! と感心したり、気持ちがよかったり。
何度も再訪したくなるお店でした。
なお、JR函館駅構内では「キングベークナチュラル JR函館駅店」(営業時間7:30~19:00/年中無休)が営業しているので、こちらにも立ち寄ってみてください。