【パリ】2025年1月から地下鉄など値上げ、近郊の鉄道は市内同様の定額に
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パリにはシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港という2大空港があります。前者はパリの北郊外、後者が南郊外にあります。そのオルリー空港への地下鉄14号線の乗り入れが、2024年6月24日に開始しました。
14号線は、パリの地下鉄の中でも最も歴史が新しい路線で、乗務員のいない自動運転が取り入れられています。他の地下鉄路線と比べて、パリ市内における停車駅の間隔は長く、移動の際のスピードが利点の路線です。
今回の地下鉄14号線の乗り入れにより、リヨン駅からは23分、オリンピックの選手村があったサン・ドニ・プレイエル駅からは40分でオルリー空港まで繋がることになりました。観光地であるオペラ地区の最寄り駅ピラミッド駅も14番線は通っていますので、観光客にとって利便性がとても増しました。
今後は、2027年に新しく開業する予定の地下鉄18号線もオルリー空港に乗り入れる予定です。
市内から地下鉄で直通となりましたが、注意点もあります。オルリー空港で地下鉄を降りる場合、運賃は地下鉄1区間の通常運賃2.50ユーロではなく、空港行きの運賃13ユーロ(2025年3月現在)です。地下鉄の通常運賃では空港の改札口を出られません。
オルリー空港の場合は、改札口を出る手前に料金をチャージする機械があります。パリ市内だとシャトレ・レ・アールにも同様のものがありますが、改札内にあるケースは珍しいです。
なお、パリおよび近郊の公共交通機関(地下鉄、RER、バス、トラム)は、2025年1月から切符および運賃のシステムが大幅に変わりました。以前は紙の切符も広く用いられていましたが、現在ではICカードやスマホによる非接触型のものになっています。
14号線の延伸で多くの駅が新設されましたが、そのなかで特に注目されたのが、パリ・オリンピックの選手村などの最寄駅となるサン・ドニ・プレイエル駅です。同駅の設計は建築家の隈研吾氏。木を使った落ち着いたデザインが特徴的です。
サン・ドニ・プレイエル駅は、RER D線やE線の駅であるスタッド・ド・フランス・サン・ドニ駅から300mの徒歩圏内であることに加え、2031年には14、15、16、17号の4路線がサン・ドニ・プレイエル駅にて交差する予定で、パリ北部のターミナル駅になっていきます。
これら新線計画の基礎には、グラン・パリ(パリ大首都圏)構想があります。現在パリ市内は地下鉄が網目のように張り巡らされて便利ですが、郊外に出ると途端に鉄道での移動が不便になります。そのためグラン・パリ・エクスプレスの新線で交通網を拡充させ、パリ中心部と郊外とのアクセスを改善し、人々の生活圏を大きくしていこうというもの。14号線の延伸は、そのステップのひとつです。
■サン・ドニ・プレイエル駅(Saint-DenisPleyel)
住所:Gare de Saint-Denis Pleyel 93200
URL:https://www.grandparisexpress.fr/ligne-14-15-16-17/gare-saint-denis-pleyel