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皆さんგამარჯობა(ガーマルジョバ:こんにちは)!
今回は珍しく、ボルジョミから遠く離れたジョージアの山岳地域の紹介をします。
山を越えればロシアであるその地域は、Mestia(მესტია:メスティア)と呼ばれており、美しい大コーカサスの山々に囲まれた小さな町です。
その町で素敵なイベントがあると聞き、筆者は今月そちらに向かう予定を立ててるのですが、そのイベントの様子を紹介する前に、皆さんにメスティアの町を紹介したいと思い、今回は記事にしました。
実はメスティアは日本人になじみのある景色が見られる場所なんですよ〜。
Mestia(メスティア)はジョージアの北部で、Samegrelo-Zemo Svaneti州のSvaneti地方にあり、Svaneti地方の中心の町(Capital)です。
人口は約2000人ほどの小さな町ですが、前述の通り4000m級の山々が連なる大コーカサス山脈のみならず、ユネスコの文化遺産、そして歴史的、民族史的にもスヴァン人と呼ばれる人々が住み、文化的にも非常に魅力あふれる町なのです。
そんなメスティアは、秘境ともいわれるほどに美しい町ではありますが、その言葉通り少々たどり着くには、時間がかかる場所にあり、まさしく”秘境”を体感する場所です。
首都から向かうには
①首都トビリシからタクシーで9時間ほどかけて向かう方法
②首都トビリシからクタイシ駅まで列車(約3時間弱)で向かい、クタイシ駅からメスティアまで車で5時間かけて行く方法
③首都トビリシ空港から、メスティアにあるQueen Tamar Airport(通称メスティア空港)まで飛行機で行く方法
の3通りあります。
③の飛行機で向かう方法がいちばん所要時間は短いですが、山岳地域であるメスティア付近の天候は変わりやすく、予想も難しいので、遅延やキャンセルも多くあるので、移動の確実性を考えると、現状は、①や②がいいといわれています。
どちらにせよ、首都から10時間近く移動にかかる場所であり、体力的にも非常に大変な場所ではありますが、それでも年間数万人の観光客がジョージア国内のみならず、世界中からやってくる魅力あふれる町なのです。
筆者は3月の雪がまだ多く残り、多くの観光客がスキーを楽しむ時期にメスティアに訪れましたが、スキー場にはカナダや、オーストラリアの方々、ポーランド、ドイツ、イタリアなど世界各国からの観光客がスキーを楽しんでいました。
メスティアのあふれる魅力は、今月筆者が訪れた際に、夏の景色とともに再び紹介しようと思っていますが、
メスティアの近郊には、Ushguli(უშგული:ウシュグリ)という町があり、その町の風景が、世界的人気な日本の某アニメ映画の風景とそっくりなのです。
文明が崩壊した後の地球で、自然と人間の共生のために一生懸命に生きる少女が主人公の物語ですが、その少女が映画の中で住む”風”をモチーフとした村が、ここウシュグリととてもよく似ていて筆者は非常に感激しました。
またジョージアの民族衣装であるチョハ(ჩოხა)も、この某アニメのキャラクターが着ている衣装とそっくりなので、まるで映画の世界に入り込んだような雰囲気を味わえるのです。
このウシュグリ村は人口300人ほどの、本当に小さな集落なのですが、ヨーロッパの中の人間が住む最高定住地点(2100m)として知られています。また中世の時代に建てられた、外敵から身を守るための見張り塔としての役目もある住居”Svan towers (სვანური კოშკი:スヴァンタワー)”が、ウシュグリには未だ200以上残っていることから、1996年にはユネスコ文化遺産に登録されているのです。
今回メスティアでは、”Mestia International Short and Mountain Film Festival”が7月23日(火)〜27日(土)まで開催されます。この映画祭では、山岳に関する世界中のショート映画を上映し、コンペティションも開催されるのです。
またゲストには、世界各国の山々に登頂され、多くの偉業を成し遂げられているイタリア人登山家のReinhold Messner氏も参加され、貴重なお話も聞ける映画祭になっています。Messner氏は、あのエベレストを人類初無酸素登頂を成功された方でもあるのです!
もちろんこのイベントは誰でもフリーで参加できるので、ふらっと立ち寄るのもOK!
また今回は映画祭開催とともに、日本で最も歴史ある山岳団体である日本山岳会の方々が、50年前のソ連時代のジョージア(当時はグルジア)の山々に登頂された際の貴重な写真を展示する写真展も開催されるのです。
筆者は、ボルジョミの国立公園職員でもあり、登山や自然が大好きで、また前回は冬のメスティアを体験したので、夏の景色も見てみたい! と思い、向かうことにしました。
もしこの時期にジョージアにいらっしゃる観光客の方で、夏のジョージアで登山やハイキングをしてみたいな! とお思いの方は、足を延ばしてメスティアに行ってみませんか?
首都や近郊都市では目にすることはない、まるでスイスの様な圧巻の景色が広がっているので、コーカサスの自然を間近で体感できますよ。
今回の記事では、メスティアの魅力の紹介(一部だけ)と、とっておきの観光イベントである山岳映画祭を紹介しましたが、まだまだメスティアには食文化や伝統、歴史などユニークで魅力的な文化がたっくさんあり、今回の記事のみでは紹介しきれていません。
ですので、メスティアに行った際に続編として、夏の景色と共にメスティアの魅力をたっぷりとお届けします!
乞うご期待!!