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西本願寺近くにある「風俗博物館」に行って来ました。
館内では「源氏物語~六條院の生活~」と題して『源氏物語』に登場する
様々なシーンの具現展示が行われています。
1/4縮尺での展示は、そこに登場する人物や装束の色目、文様も平安時代の400年間の変遷が
感じられる再現となっています。
館内を巡りながら源氏物語の世界へと入って行きます。
正面に再現されているのは『源氏物語』「御法みのり」より、法華経千部供養の様子。
厳かな式典の様子が伝わって来ます。
源氏物語は平安時代中期を舞台に、紫式部が書き上げた「世界最古の女性文学」と呼ばれる
54帖からなる物語です。
物語に登場する架空の大邸宅、六条院とは光源氏の邸宅でした。
源氏物語において、光源氏のモデルと言われたのは源融(みなもとのとおる)。
源融の邸宅「六条河原院」のあった場所は、京都駅からも近い
渉成園・枳殻邸(きこくてい)辺りとも言われています。
館内では、六条院の日常もきめ細やかに再現されていて
調度品から食器に至るまで精密に再現されています。
源氏物語と言えば黒髪と十二単が浮かんで来ますね。
平安時代、長い髪は究極の「飾り」とも言われ「美の象徴」だったそうです。
平安時代とは、平安京遷都(794年)から(1192年)までの約400年の長い時代でした。
この時代、身分の高い男子の正装は束帯(そくたい)。女子の正装は十二単でした。
ちなみに平安時代の着物の模様ですが、織物模様が主体でした。
友禅模様の登場はもっと後の江戸時代でした。
女子の正装の十二単ですが、きちんと着ると20kg前後の重さがあるそうです。
正式名称は「五衣・唐衣・裳」(いつつぎぬ・からぎぬ・も)と言います。
節句のお雛様も十二単ですね。
こちらは、平安貴族の遊び。
平安時代の貴族は、この他にも双六・貝遊び・囲碁・文字が学べる偏(へん)つぎ
等をしていたそうです。
お子様の誕生も再現されていました。
源氏物語と言えば、平安衣装と共に多く出てくるのが、室内を隔てる御簾(みす)です。
御簾は、細く割った竹を編んだもので部屋との境目などに垂らし、
日の光や外部から見通されないため等に使われています。
六条院などの御殿造りには、全体的に「壁」と言う物が少ない為に、
御簾は発達したものと思われます。
そして、御簾と共に同時期に発達したのが移動可能な室内障屏具のひとつ。
几帳(きちょう)でした。
几帳は、几帳は反物の幅(約一尺)で縫い合わされたもので、
縫い合わせる時に真中は縫わず、風穴をあけておき、そこから外が見られるようになっています。
西本願寺近く、風俗博物館で展示されている源氏物語・六条院の世界。
これまで書物や絵巻でしか触れられなかった、源氏物語の世界が広がっています。