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数年ぶりにオルチャテリーア・サンタ・カタリナにオルチャータを飲みに行きました。
オルチャータとは、バレンシアで栽培されているチュファ(カヤツリグサ科カヤツリグサ属のショクヨウガヤツリという植物)の塊茎が原料の飲み物。冷たいオルチャータを飲むのは夏のバレンシアのお約束で、老若男女問わずに人気です。
バレンシアには、あちこちに自家製オルチャータを専門に飲ませるオルチャテリーアと呼ばれるカフェがあります。オルチャータの原料はチュファの塊茎と水、砂糖のみ。たまにシナモンやレモンも材料だと書いてある記事がありますが、スーパーなどで売っている大量生産品で見かけることはあっても、本場のオルチャータでは使いません。植物ミルクなので、豆乳やアーモンドミルクを思い出すような風味はあるものの、独特な味わいです。
レイーナ広場からすぐ、ちょうどサンタ・カタリナ教会の向かいに位置するこのオルチャテリーアの店内は、マニセス焼きの陶器がふんだんに使われていることが特徴。レトロ感漂うステキな空間です(※マニセスはバレンシア空港のある中世からの陶器の町)。
ここのオルチャータは、リキダ(液体)、グラニサーダ(シャーベット状)、そしてこの2つを混ぜたミスタの3種類があります。この場合、私がいつも頼むのはミスタ。冷たく飲みやすいです。オルチャータを飲むときにはファルトンという長細く甘いパンを浸して食べることが多いので、一緒に注文しました。ほかにはクロワッサンやエンサンマダ(マヨルカ島のパン)も置いています。
このオルチャテリーアは途中で経営者は何度か変わっているものの、約200年の歴史があるそうです。お店の入り口の右に大理石のテーブル板が埋め込まれていて、そこにはイサベル王女(アルフォンソ12世王の姉)が1907年、1909年、1919年に来店したことが書かれています。王女が使ったテーブルなのだとか。きっとオルチャータ好きの王女だったのでしょうね。
大聖堂や世界遺産のラ・ロンハにも近いので、バレンシア観光の際に寄ってみてはいかがでしょう? チュロスとホットチョコレートもあるので、寒い日はこちらもオススメです。