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こんにちは~山梨特派員の水月です。
長野県茅野市、標高約1500mの場所にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」へ行ってきました。
ここは、日本画の巨匠、東山魁夷画伯が描いた『緑響く』のモチーフとなった場所なんですよ。
絵画『緑響く』の幻想的な雰囲気からてっきり湖だと思っていましたが、「御射鹿池」は農業用水として使うために造られたため池だそうです。農林水産省の「ため池百選」にも選ばれています。
木々の緑が水面に映る様が、美しく幻想的です。
水の色は、エメラルドグリーンと言っていいのでしょうか。いいえ。緑だったり青だったり、その中間だったり、見る場所によっても変わって見えました。
天候や季節によってもまた、変化を見られるのでしょう。
『緑響く』です。
東山魁夷画伯は、「御射鹿池」を訪れたときのことを、このように語っています。
一頭の白い馬が緑の樹々に覆われた山裾の池畔に現れ、画面を右から左へと歩いて消え 去った――そんな空想が私の心のなかに浮かびました。私はその時、なんとなく第二楽章の旋律が響いているのを感じました。
御射鹿池の風景に聞こえたという、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番第2楽章。だから『緑響く』なんですね。
そして、空想のなか現れた白い馬。
東山魁夷画伯は、白い馬がたたずむ風景画を18枚描いています。
そのどれもが、現実にある風景のなかに不意に白馬が現れたといっていいような、けれどその場所に自然に溶け込むような雰囲気で静かにたたずんでいるのです。
そんなことを思いながら、御射鹿池の周りを歩きました。
保護のために、池の畔には近寄れません。道路側の半径180℃から眺めるだけですが、雲が流れるたびに池に映る様子も刻々と変化します。
農業用水路へ流れ出す水は、透明で澄んでいました。
周囲には、「おしどり隠しの滝」「王滝」「霧降の滝」「乙女滝」など滝スポットが並んでいます。
水のきれいな土地だということが、よくわかりますよね。
駐車場はすぐそばに、大型バス用、乗用車用と2つあり、余裕を持って停められました。
「御射鹿池」の魅力のひとつは、舗装道路で難なくたどり着くことができ、駐車場やトイレが完備されていることです。
長野県は、東山魁夷画伯ゆかりの地。
善光寺の隣に建つ「長野県立美術館」には、「東山魁夷館」が併設されています。
「御射鹿池」と「東山魁夷館」併せて訪ねるのも、よいでしょう。
秋が深まれば紅葉を、雪の季節には銀白に凍り、新緑の春もまた違う風景を楽しめることと思います。
■御射鹿池(みしゃかいけ)
・住所: 長野県茅野市豊平奥蓼科
(ナビを使用する場合は、目的地を「明治温泉旅館」に設定)
・URL: 茅野観光ナビ