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10月9日はバレンシア州の日で、州の祝日に定められています。それともうひとつ、バレンシア州の一部、バレンシア市と近郊ではバレンタインデーでもあります。というのも、カトリック教会ではこの日は聖ドニ(※ 3世紀に殉教したパリの司教)の日で、この聖ドニはバレンシアでは恋人たちの守護聖人なのです。
日本とバレンシアのバレンタインデーの大きな違いは、日本では女性→男性なのに対し、バレンシアでは男性→女性であること!!
プレゼントするのは、野菜や果物を模った小さくてカラフルなマジパン(アーモンドと砂糖で作る練り菓子)です。10月になるとお菓子屋さんやパン屋さんの店頭にお目見えします。このマジパンをスカーフに包んで恋人や奥さんに贈るのです。なぜ男性から女性なのか、ネットで調べてみましたが見つけりませんでした。気になりますね。
バレンシア語ではスカーフのとこをmocadorというので、この習慣は la mocarorà と呼ばれています。これは18世紀から続いているそうで、野菜や果物の小さなマジパンは昔から農業が盛んなバレンシアの農産物なのだとか。
昔ながらの伝統なので、2月14日のバレンタインデーには何もしなさそうな年配の男性が奥さんにマジパンを買っている姿を見かけることがあります。逆に若い世代はバレンタインデーにパートナーとプレゼントを交換したり食事に出かけたりするのに、10月9日には何もしないことが多いようです。いつまでのこのバレンシアオリジナルの伝統が続くことを願います。