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前回、県北で国際芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が開催されていることをご案内しましたが、私も岡山市内から2時間ほどの奈義山麓にたたずむ「奈義町現代美術館周辺エリア」に行ってみました。
ここは建築界のノーベル賞ともいわれる「プリツカー賞」を受賞された磯崎新設計の奈義町現代美術館(通称NagiMOCA/ナギ・モカ)です。この美術館の特徴は作品と建物が一体化した美術館で、建物がある限り作品もあり続けると思います。ここでは、AKI INOMATA、坂本龍一+高谷史郎、磯崎新、森山未來が出品しています。
奈義エリアでのいちばんの見どころはここでしょうか。美術館からシンボルロードを隔てて向かいにある屋内ゲートボール場「スパーク奈義」です。ここで見られるアート作品は、アルゼンチンのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒの作品です。名前を聞いても「ピン!」とこなくても、石川県にある金沢21世紀美術館の展示作品「スイミング・プール」をご存じの方は多いと思います。レアンドロの作品の特徴は見る人の思い込みを利用して、錯覚を起させることだそうです。
ゲイトボール場と侮るなかれ、中は森林です!
こちらの作品は、中は薄暗いのですが上下左右どちらを向いても針葉樹林の空間です。周囲は本物の針葉樹で、上からはクリスマスツリーのような人工の針葉樹が逆さまにぶら下がっています。床には鏡が敷き詰められ、高い吊り橋の上に立ったように見え、不思議な浮遊感と森の散策が楽しめる仕掛けになっています。
ここは撮影がOKなのでカメラを持って行かないと、楽しさが半減することはまちがいないでしょう。床が鏡なのでアイデア次第で思わぬ写真が撮れるかもしれませんね!
作品はアーティストが一人でコツコツと作り上げていくのかと思っていましたが、ここは多くのボランティアで仕上げているのをニュースで見ました。アーティストと町民が一緒に作り上げていくことで、現代アートに親しみを持ち、身近に感じることができるようになりそうですね。
ゲートボール場の外では奈義町の特産のなぎビーフや町内産の野菜を使ったコロッケ、おにぎり、豚汁等が販売されていました。奈義ビーフは食欲をそそる匂いにとても惹かれました。
岡山も10月下旬になると気温が30℃を超える日もなくなりました。津山近辺まで来られた方は、芸術の秋と称して奈義周辺のアートの散策はいかがですか。