
The Black Swan
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パブはイギリス庶民の憩いの場。また友人や家族らと集うための、大切な社交場でもあります。
昔は宿屋の一部として飲食を供するスペースだったものが、そのまま現在のパブとなった場合も多いため、中世から続くパブも珍しくありません。
北イングランドの古都ヨークにも、そんなパブが何軒かあります。今回ご案内する「ブラックスワン」も、そんな古いパブのひとつです!
北ヨークシャーの都市ヨークは、古代ローマ人からアングロサクソン、そしてヴァイキングも定住した歴史の長い街。旧市街をぐるりと囲む市壁や大聖堂など中世からの建造物が多く遺る街並みは、観光地としても人気です。
とくに昔は肉屋街だった通りシャンブルズは、ハリーポッター映画シリーズに登場するダイアゴン横丁のモデルではと言われるほど、雰囲気たっぷり!
産業革命で鉄道のパイオニアとなったイギリスが誇る国立鉄道博物館や、ヴァイキングをテーマにした博物館などアトラクションも色々。そんなヨークに来たら、ぜひ訪れてほしいパブをご案内しましょう。
ヨーク中心地の東端に位置する「ブラックスワン」は、前述した観光スポットのシャンブルズから徒歩数分。
周囲には現代的なビルが建ち並ぶなか、チューダー様式独特のハーフティンバーと呼ばれる白壁に黒い木材の縞模様が目を引きます。
そして正面入口まで歩むと、頭上の壁を這うような恰好で黒猫フィギュアがお出迎え!イギリスの諺では「黒猫に出会ったら幸運の兆し」と言われているので、ちょっと嬉しいですね。
入口には、ここの略歴が掲示されていました。「15世紀に地元名士ウィリアム・ボウズの家として建てられ、その孫マーティン・ボウズはエリザベス1世時代に財務を司り活躍。のち17世紀には・・・(以下略)」
そして馬車ごと乗り入れて泊まれる宿屋コーチ・インとなった時代を経て、今は地元の人気パブ。しかし現在でも2階はB&B(ベッド&ブレックファースト、いわば民宿)になっています。
ともあれ1400年代の建物なので、当時トレンドだったチューダー様式という建築スタイル。ハーフティンバーと呼ばれる、白壁に黒い木材が露出した外観が特徴的です。
そして中に入ると、背の高い人だったら鴨居に頭をぶつけそうなくらい天井が低い!こういう点も中世っぽさ満点ですよね!
昔ながらのオーセンティックなパブに来たら、やはり生ビールを味わいたいもの。有名銘柄はもちろんヨークシャーならではの地ビールも沢山あり、ビール好きには嬉しい限り。
もちろんワインやジントニックなど他のお酒、それにノンアル飲料やコーヒー紅茶もあります。
また食事処としても人気があり、ラムや牛肉などのパイやフィッシュ&チップスなどボリューミーなものから、各種フィリングを選べるバゲットサンド、ベークトポテトなどランチに適したメニューも揃っています。
窓が少なく昼間でもやや薄暗いのも、映画やドラマで見た中世の家屋みたいで雰囲気満点。ヨーク市街観光の合間に、こんなパブで乾杯してみませんか?