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寒い季節には、体が温まる鍋料理や煮込み料理が食べたくなりますね。スペインでは地方によって具材が少々異なりますが、いろいろな煮込み料理があります。その中でもよく知られているのは、マドリードの郷土料理コシード・マドリレーニョです。私も好きなお料理で、昨冬マドリードに行った時に久々にいただいてきました。今回はそのコシード・マドリレーニョのお話です。
コシード・マドリレーニョとは、日本語に訳すとそのままマドリード風煮込みという意味。大鍋で野菜や豆、肉類をコトコト煮込む、昔ながらの家庭料理です。
どんな食材を使うかというと、
・ひよこ豆
・にんじん
・じゃがいも
・キャベツ
・牛すね肉
・豚リブ肉
・豚の脂身
・鶏もも肉
・生ハム
・生ハムの骨
・チョリソ
・ブラッドソーセージ
もちろん家庭によっても使う具材は多少異なり、カブや玉ねぎなどを入れる家庭も。ハーブや香辛料は使わず、味付けは塩のみです。
具材は全部同じ鍋で煮るだけなので、手間がかかりません。
特徴があるのが食べ方で、最初にスープだけ取り出します。そのままか、それを別の鍋に移してフィデオと呼ばれる細くて短いパスタを少々煮てから前菜としていただきます(私が住むバレンシア地方ではフィデオではなくお米を入れることも)。このスープは多くの具材から出た旨味で、とても滋味豊かなのです。体だけでなく、おいしさで心までポカポカになります。鍋物のスープがおいしいのと同じですね。
このスープの後に、具材をメインとして食べます。私は具材の上から、残りのスープを少しかけた状態のものが好きです。
ひとつのお鍋で前菜もメインもできてしまうなんて、主婦としてはありがたい! そしてみんな喜んで食べてくれるので嬉しい! そんな家族みんながハッピーになるお料理です。
私も作ることがあるのですが、わが家ではチョリソやブラッドソーセージは使いません。その代わりにぺロタと呼ばれる大きな豚の肉団子を入れ、チリビア、ナピコル、カブと3種類の根菜も使うバレンシア風です。アリカンテでは、クリスマスの25日のお昼にバレンシア風のコシードを食べる伝統があります。
マドリードの中心部にはコシードを出すレストランが何軒もありますので、ぜひともお試しください。メインの量が多くかなりお腹にたまるので、お昼にいただくことをオススメします。
アストゥリアス地方のファバーダやカスティーヤ・ラ・マンチャ地方のガスパチョ・マンチェゴなどなど、スペインにはいろいろな煮込み料理があるので、冬でなくともスペイン旅行の際には食べてみたいですね。