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こんにちは。岡山特派員のmamiです。今月は浅口市鴨方町をご紹介しますね。鴨方町(かもがたちょう)は、明治時代の廃藩置県で一時、鴨方県となった歴史を持ち、周辺と合併し深津県、小田県を経て岡山県に編入された地域です。
鴨方町の特産と言えば、日本酒とともに「手延べそうめん」「手延べうどん」という製麺がいちばんにあがります。今回は大きな水車が目印の「かも川手延べ素麺」の直売所に行ってきました。
肌寒い日だったので、暖かいお素麺「にゅう麺」を注文しました。出てきたのは味噌仕立てのけんちん汁に似た「にゅう麺」でちょっと、ビックリ!
岡山市内に住む私にとって「にゅう麺」というと鰹と昆布のあわせだしで、澄まし仕立てで作るものと思っていました。鴨方のある「備中」では味噌仕立てが普通なのかな?お味噌のせいか少し辛く感じますが、身体はほっこり温まります。
夫が頼んだ「釜揚げうどん」もやってきました。手延べのうどんです。
ずいぶんと深さのある入れ物ですが、もちろん上げ底です。「手打ちうどん」はよくありますが、「手延べうどん」というのは、全国的にも少ないのではないでしょうか。のど越しがよく弾力があってモチモチっとしています。
こちらは直売所です。広い店内には家庭用のお得なものから贈答用までいろいろなタイプのお素麺がありました。もちろん手延べうどん、ひやむぎもあります。今回初めて見たのが中華麺です。
写真の左側に写っているのが中華麺で「手延べ老麺」と書かれています。今の推しでしょうか、レジの前にも置いていました。
ずいぶん前に、偶然目にした「かど干し」の風景です。刃物を使わず「熟成」と「延ばし」を繰り返し、長く延ばした素麺を天日に干し、寒風にさらして乾燥させて出来上がります。
手延べそうめん、手延べうどんは、生地を仕込んでから麺に仕上げるまで手間暇をかけ、およそ30時間かかると聞きます。特に寒い冬場に作られた素麺は、 『極寒製(ごっかんせい)』と呼ばれ極上品となります。
店内でいただいたパンフレットには、杉谷川沿いに水車があり、最盛期には40もの水車が小麦を搗いていたとあります。今も水車小屋が残っているというので杉谷川へ行ってみました。杉谷川は、水量は少ないものの美しい清流が流れていました。
鴨方町には今も多くの製麵所があります。遥照山から涌き出るきれいな水、瀬戸内海で製塩された良質な塩、良質な小麦粉が多く穫れ、晴天の日が多いことから、麺づくりには最適な地だったようです。
谷間にぽつりとたたずむ、あの建物が唯一残る水車小屋でした。もう使われてはいませんが、当時の面影をとどめていました。
水車小屋の周囲は祠などがあり趣のある場所です。この先には阿部山という山があり、平安時代に活躍した陰陽師、安倍清明が天体観測をしたとも伝えられています。安倍晴明といえば夢枕獏の『陰陽師』や昨年の大河ドラマ『光る君へ』でユースケ・サンタマリアさんが好演して話題になりましたね。
平安貴族だった安倍晴明が備中くんだりまで来て、天体観測をしたというのは眉唾物ですが、隣の金光町にはライバルの芦屋道満に関する伝説に清明の墓所といわれる場所まで残っています。ちょ