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私が暮らすエクアドルの首都キトは、標高が高く山に囲まれており、日々の生活のなかで自然を身近に感じることができます。さらに、世界遺産に登録された旧市街では深い歴史を肌で感じることができ、自然と文化が見事に共存しています。今回はそんなキトを「衣」「食」「住」の視点から紹介し、その魅力をお伝えしたいと思います。
キトには土産物店がたくさんありますが、そのなかでも私の一番のお気に入りはOlga Fisch(オルガ・
フィッシュ)です。ここではエクアドル国内の各地の上質な民芸品が販売されています。
一軒家を改装した店内はモダンでありながらも伝統的な雰囲気で、創業者が芸術家だったこともあり、
まるで美術館に来たような気持ちになります。
実際に、お店の2 階は創業者がコレクションしていたエクアドル各地方の民芸品が展示されているギャ
ラリーとなっています。
なかでも私が心ときめくのが、エクアドルの先住民コミュニティの女性によって作られた手編みのセー
ターです。
デザインもひとつずつ異なるので、すべてが一点もの。世界にひとつしかありません。
上質なアルパカの毛を使ったセーターはあたたかいだけではなく、軽いのが嬉しいポイント。
決して安い値段ではありませんが、タグにつけられた製作者の顔写真や言葉を思い出すたびにその価値
とぬくもりを感じます。
特別な思いが込められた服を纏うと、とても幸せな気持ちになります。キトで自分だけのお気に入りの
一着を見つけてみてはいかがでしょうか。
■Olga Fisch Folklore(オルガ・フィッシュ・フォルクローレ)
住所:Av.Colón E10-53 y Caamaño
電話番号:(5932)254 135
営業時間:月~金曜日9:00~18:00、土曜日10:00~16:00
URL:https://www.olgafisch.com
あまりイメージにはないかもしれませんが、エクアドル料理はとてもおいしいです!
各地方によって料理の特徴は異なりますが、今回はキトの位置する山岳地方(シエラ)料理をご紹介し
ます。
キトは一日の寒暖差が激しく寒い日もありますが、そんなときにこのジャガイモのクリーミーなスープ
を飲むと体が温まり元気が湧いてきます。
材料はシンプルでジャガイモ、ネギやニンニク、牛乳やチーズを煮込み、最後にアボカドをのせて食べ
ます。お店や家庭によってレシピが異なるので、自分のベスト・ロクロ・デ・パパを見つけるのも楽し
さのひとつ。
山岳地方では豚を使った料理が多く、フリターダは代表的な郷土料理のひとつです。名前の語源がスペ
イン語の動詞「Freír(揚げる)」からくるように、豚肉をニンニクやクミン、アチオテ(ベニノキ)が
入った煮汁で長時間煮込み、じっくり味を吸収させた後に、揚げ焼きにします。トウモロコシやアボカ
ドなどと合わせて食べるのですが、私はそこにアヒ(唐辛子ソース)と一緒に食べるのが大好きです。
週末や祝日に家族と一緒に食べるのが定番で、食べた後はおなかがいっぱいで幸福感と眠気に包まれま
す。
キトにはほかにもおいしい料理が沢山あるので、ぜひ色んな料理にチャレンジしてみてください。
「暮らす」という視点で見たときのキトの魅力のひとつは、その気候だと思います。
乾季と雨季はありますが、キトは一年を通して春先のような気候でとても暮らしやすいです。
一方で、1 日の寒暖差が激しいことから、「1 日に四季がくる」ともいわれています。
ショッピングセンターなど人が多い場所に行くと、ブーツを履いている人もいれば、サンダルを履いて
いる人もいて、「今は何月だっけ?」と思うことがあります。そんな自由な感じもキトらしいのです。
また、キトには世界遺産に登録されている旧市街があります。旧市街はスペイン植民地時代のおもかげ
を残す町並みで、地元の人々や観光客で賑わっています。一方、新市街には高層ビルが立ち並び、ショ
ッピングセンターやおしゃれなレストラン、カフェが点在しています。コンパクトでありながら、新旧
のコントラストが鮮やかで、文化と生活が見事に交わりあっている町だなと感じます。
さらに、標高が高く山に囲まれたキトでは自然を身近に感じることができます。晴れた日の夕暮れ時に
は、非常に綺麗な空と山を見ることができ、その美しさにはっとさせられることがあり、生活のすぐそ
ばに自然があることを実感します。
自然と文化が身近にあるキトで豊かな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。