
スキーのノルディック複合を本場欧州で観戦してみよう!準備のポイント
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ヨーロッパでぜひ体験してほしいのがアルプスにある山岳リゾートでのバカンス。アルプスはフランス、スイス、イタリア、ドイツ、オーストリア、スロベニアなどにまたがる、ヨーロッパを横断する郊外な山脈です。今回はオーストリアのチロル地方にあるゼーフェルトと、同所から近いオーストリアの中核都市インスブルックについて紹介します。
オーストリアはドイツの南、イタリアやスロベニアの北に位置する東西に長い国です。首都であるウィーンはその東側、ゼーフェルトおよびインスブルックは西側にあります。そのためウィーンからの距離よりもドイツ南部の中心都市ミュンヘンの方が近いです。
インスブルックは、チロル地方を代表する都市。市内の建物の向こうに2000m級の山々が連なる景色は特に美しいです。歴史的な名所もあり、都市の雰囲気と風景を同時に楽しめる町です。インスブルックにはヨーロッパ各地とのフライトをつなぐインスブルック空港もあります。
インスブルックから列車で約35分の距離にあるゼーフェルトは、2500m級の山々の中にある山岳リゾートです。リゾートといっても大きな町ではなく、ホテル、レストラン、大型スーパー、山岳アクティビティ、カジノなど、一通りのものが集落内にまとまっている、過ごしやすい場所です。
ウィーンからインスブルックまでは特急で4時間15分、ミュンヘンからインスブルックは特急で1時間45分、ミュンヘンからゼーフェルトは直通のバスもあり2時間です。
インスブルックで押さえておきたいスポットは、まず「黄金の小屋根」。旧市街の中心部にあり、神聖ローマ帝国のかつての皇帝マクシミリアン1世が、広場で行われる行事を見学するために造らせたものです。
建物から張り出した黄金色のエルガー(出窓)が美しいです。
黄金の小屋根から数分歩いた先には、ザンクト・ヤーコブ教会があります。内陣は18世紀に造られたバロック様式で、天井に描かれたフレスコ画とルネサンス期の画家ルーカス・クラーナハによる絵画『救いの聖母』はぜひ見ておきたいです。
ザンクト・ヤーコブ教会のすぐ近くには王宮もあります。1460年頃にジークムント大公により建てられた城が、マクシミリアン1世によって拡張、1773年に神聖ローマ皇帝妃であるマリア・テレジアによりロココ様式に改築されました。
王宮の向かいには宮廷教会があります。マクシミリアン1世は、ここを自らの霊廟に定めていたそうですが、没後はウィーン南方のヴィーナー・ノイシュタットに葬られました。
上記4施設はいずれもインスブルック駅から歩ける距離です。
■黄金の小屋根(Goldenes Dachl)
住所:Herzog-Friedrich-Straße 15, 6020
ゼーフェルトの見どころは、なんといっても雄大な山々と、ゆっくりと流れる時間ですが、いくつかそれ以外の見どころもあります。
まず村の中心部にあるドルフ広場と同広場に面して建っている教区教会。この教会はチロル1384年に起きた「ホスティアの奇跡」によって名が知られています。ホスティアというのは、ミサに使われるパン(聖体)のことで、1384年にその聖体から血が滴ったという現象です。
またゼーフェルトの駅前にはカジノがあり、滞在時の楽しみ方に変化をつけることができます。
集落から西へ向かった先には、草原の中に建つ巡礼教会ゼーキヒルが。山々とのコラボレーションが美しいです。
ゼーフェルト駅から反対側、東方面へ向かうとケーブルカー乗り場であるロスヒュッテバーン谷駅に着きます。ここからロスヒュッテ、ゼーフェルダー・ヨッホバーンまたはヘルメレコプフバーンの2方面のロープウェイがあり、いずれも山上からの眺望を楽しめます。
またゼーフェルトは、毎冬にノルディック複合(スキージャンプとクロスカントリーを合わせた結果で争う競技)のワールドカップが開かれており、大会期間はいつもより多くの人々が訪れます。本場の大会を見学しても楽しいです。
ゼーフェルトは人々も穏やかで雰囲気も良く、個人的にもおすすめのリゾート地。ぜひ訪れてみてください。
■教区教会(Pfarrkirche St. Oswald)
住所:Maximilianweg 29, 6100
時間:火曜9:00~12:00、木曜 15:00〜18:00、金曜9:00~12:00