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南スペイン、アンダルシア地方の人気観光地のコルドバ。古代ローマ時代には属州ヒスパニア・バエティカの首都、イスラム教徒の支配下にあった10世紀には文化の中心地として栄え世界最大の人口を抱える町だったという歴史ある町です(※現在の人口より多かったそうなので驚きです!)。このコルドバの町が1年でもっとも輝くのが5月。なんとお祭りが3つも続くのです。今回はそんな5月のコルドバのお祭りをご紹介します。
まず最初のお祭りが5月の十字架祭り。今年は4月30日にスタートし、5月4日まで続きます。この期間中には、コルドバの町のあちこちに花で作った美しい大きな十字架が立てられるのです。十字架のまわりにも花があったり、マントン・デ・マニラと呼ばれる刺繍をほどこしたショールが飾られます。
この十字架の美しさを競うコンテストがあり、昨年はなんと46ものエントリーがあったそうです。観光案内所やホテルで十字架の場所が記された地図はもらえるので、それを見ながら十字架巡りをします。場所にもよりますが、十字架の近くには飲み物やちょっとしたタパスを売る青空バルが出て、地元の人や観光客で賑わいます。私が行った時は、夜には音楽がかかって屋外ディスコと化すところもありました。
ちょうど日本のゴールデンウィークにかかっているので、南スペインに行かれる方はぜひコルドバの5月の十字架祭りにお出かけください。
その昔、コルドバに住んでいたローマ人もアラブ人も家に中庭(パティオ)をつくる習慣があったそうです。それが受け継がれてきたコルドバでは、今でもパティオがある家に住み、パティオを美しく飾る人が少なくありません。
前述の十字架祭りが十字架の美しさを競い合うように、パティオ祭りではパティオの美しさを競い合います。これも同様に、パティオの場所が書かれた地図を片手に、コルドバの町歩きを楽しみつつパティオをまわります。カラフルな花やレモンやオレンジの木、噴水、井戸、外壁いっぱいに飾られた鉢植えの花、などなどそれぞれのパティオが趣向を凝らしているので何軒見てまわっても飽きがきません。どこもフォトジェニックなので、SNS映えする写真が撮れること間違いありません。
期間中は町の中心テンディージャス広場でフラメンコショーなどのイベントも行われます。今年は5月5日~18日の開催です。なお、このパティオ祭りは2012年にユネスコの世界無形文化遺産に登録されています。
フェリアというと日本ではセビーリャが知られていますが(セビーリャの春祭り)、実はアンダルシア地方の各地でフェリアと呼ばれるお祭りが開かれているのです。
コルドバのフェリアは毎年5月末で、今年は24日~31日に催されます。十字架祭りやパティオ祭りは中心部の町中で行われますが、フェリアはエル・アレナル(El Arenal)と呼ばれる町外れのお祭り会場が舞台です。ここには毎年デザインが変わる大きな入場門のほかに100近いカセタ(仮設のお祭り小屋)が立ち並びます。ここで飲めや踊れやの宴が連日繰り広げられるのです。会場内には移動遊園地も設置され、メイン会場同様に昼夜を通して賑わいます。フラメンコ調の民族衣装で着飾る女性も多く、町中や会場を闊歩するアンダルシア美人には、きっと目を奪われることでしょう。期間中には闘牛興行も開催されます。
いずれもコルドバの明るさと華やかさが前面に出た一度は見てみたいお祭りです。夏は暑いことで知られるコルドバですが、5月はまだ本格的な暑さが来る前で気候がいいのでおススメ!!