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東京都文京区にある小石川植物園は小笠原諸島の固有種植物がたくさん見られる施設です。小石川植物園で開催中の企画展「Bonin×Botanyー東京大学植物学教室の小笠原調査ー」をご紹介します。
小笠原諸島には多くの固有植物がありますが絶滅の危機に瀕している種も少なくありません。「小石川植物園」の名で親しまれている東京大学大学院理学系研究科附属植物園は戦前から小笠原諸島での植物調査を行い、1980年代からは固有植物の保全に着手し現在も調査・保全を継続して行っています。
現在、園内にある「柴田記念館」で小笠原諸島での植物調査の歴史や固有植物についての展示「Bonin×Botanyー東京大学植物学教室の小笠原調査ー」が開催中です。
小笠原諸島での最初の調査は明治時代に行われました。その当時に撮影された写真やその後の調査についてが固有植物の解説と美しい植物画などと合わせて展示されています。
柴田記念館での展示を楽しんだら配布されている「小笠原の植物リスト」を手に持ち、園内にある温室に展示されている小笠原の植物も実際に見てみましょう!
小石川植物園が小笠原諸島の希少植物の保護増殖事業に携わっている関係から、温室内には島でも見られる場所が限られている植物やアクセスの難しい無人島にしかない植物などが多く展示されています。
私も今回初めて花を見た植物もあります。小笠原諸島でも北硫黄島という無人島にしかないイオウノボタンの花です。温室内には父島固有種ムニンノボタン、母島固有種ハハジマノボタン、北硫黄島固有種イオウノボタンの3種が並んでいます。(写真は5月11日に撮影しました)
他の2種は開花していませんでしたので、同じ環境で開花のタイミングが一緒なのか違うのか疑問でしたが、今回はイオウノボタンが一足先に開花していました。父島ではムニンノボタンは暑さ真っ盛りの8月に咲くので都内の温室でも同じなのか興味深いところです。
他にも聟島という無人島にしかなく実物を見たことがなかったムコジママンネングサという植物の開花も見られました。花はもっと黄色いと思っていましたが、思いのほか白かったです。
園内はさまざまな植物が植栽されていて都内とは思えないような自然を感じられる環境でした。この日は日曜日ということもあって、多くの方がゆったりとくつろいでいました。敷地はとても広く一周するとよい運動にもなり気持ちがよかったですよ。(犬の散歩はできないのでご注意ください)
晴れた日の休日などに楽しんでみてはいかがでしょうか。
ご参考までに、各最寄駅から少し歩きますが茗荷谷駅からだと坂をくだっていくような道のりでアクセスがしやすかったです。また温室は閉館時間が少し早いのでご注意ください。
■小石川植物園「Bonin×Botanyー東京大学植物学教室の小笠原調査ー」
開催期間:2025 年 4月 15日〜2025 年 10 月 12 日
開催場所:小石川植物園 柴田記念館(東京都文京区白山3丁目7番1号)
柴田記念館開館時間:10:30~16:00
植物園開園時間:9:00~16:30
温室開館時間:10:00~15:00
入 園 料:大人500円 小人150円(柴田記念館は入場無料)
小石川植物園公式ウェブサイト:https://koishikawa-bg.jp/