
旧桜宮公会堂レストラン
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大阪の造幣局前にある、旧桜宮公会堂。現在では結婚式場とフランス料理レストランとして再生していますが、もとは明治天皇記念館として昭和8年に建てられました。
国の重要文化財にも指定されている正面玄関をはじめ、明治時代のアンビエンスに包まれてフランス料理を味わえる、旧桜宮公会堂レストラン。
特別な日にふさわしい、品格あるお食事はいかがですか?
旧桜宮公会堂の前身は、昭和8年竣工の明治天皇記念館。明治初期に建設された造幣寮(今の造幣局)の鋳造所正面玄関を移築した外観は、ディテールに至るまで創設時のままという保存状態で国の重要文化財にも指定されています。
そんな由緒ある建築物の内観をリノベーションして2013年にオープンした旧桜宮公会堂では、今もレストランに続くエントランスに当時の金庫を展示するなど、随所に往時の様子をしのばせます。
結婚式の披露宴会場として人気のバンケットルームでは、地元大阪の食材を活かしたフランス料理コースを提供。そして通常はレストランとして一般利用できるのです!
さて予約時間に到着し、テーブルに案内されて着席。ちなみにメニューはウェブ予約時に選ぶようになっているため、着席してからメニューを読む必要ありません。
ドリンクメニューのみ運ばれてくるので、飲み物を注文。筆者はこの日「桜スカッシュ」というノンアルカクテルを頂いたところ、爽やかな香りで美味!
なおコース料理のメニューは季節に合わせて定期的に変わります。訪問時は5月だったため、2025年4月~6月限定メニュー「明治の饗宴A」という5品コースを。また「明治の饗宴B」7品コースもありました。
明治天皇の大阪行幸に関する資料を手掛かりに、料理長が試行錯誤しながら往時のフレンチを再現したメニューは以下の通り。
・うすい豆の冷製ポタージュ
・香草サーモンの冷製
・鴨ロースとシャンピニオンソース
・牛肉のコートレット
・プディング
どれも美味しかったけれど、とりわけ「牛肉のコートレット・ジュドビアンドソース」が絶品!地元食材を活用しているだけでなく、大阪グルメのひとつ牛カツ原点はこういう料理だったのかしら・・・と明治時代に思いを馳せました。
旧桜宮公会堂の敷地内には、もうひとつ泉布観という貴重な建物もあります。
パステルピンクのバルコニーが可愛い泉布観は、大阪に現存する最古の洋風建築でこちらも重要文化財。1871年に造幣寮(今の造幣局)応接所として建設された翌年、明治天皇が訪れて「泉布観」と命名しました。
設計者は旧桜宮公会堂の玄関と同じく、銀座煉瓦街なども手がけた英国人技師トーマス・ウォートルス。明治初期に日本政府がたくさん招聘したお雇い外国人の1人で、長崎ではグラバーの下でも働いたそうです。
天満橋にもほど近いロケーションで、曽根崎通りの筋向いには造幣局も。いつか桜の通り抜けの時季に、また再訪してみたい旧桜宮公会堂レストランでした!