【パリ】カフェ難民の救世主！疲れた時にこそ行くべき「街中のオアシス」

パリの街を歩いていると、カフェに入りたくなりますよね。でも、観光地近くのカフェはどこも人だらけで、テーブルとテーブルの間隔は狭い。慣れていないと疲れてしまうかもしれません。

また、作業をしようとノートパソコンを広げようものなら、店員から「ここではパソコンを広げないでください」と注意されることもあります。カフェはあくまで人との会話を楽しむ場所であり、長時間作業するための場所ではないのです。

そんな時におすすめなのは、スターバックス。パリならシャトレ・レ・アル、サン・ミッシェル、オペラなどにあります。どちらの店舗も、広々とした空間と快適な温度が保証された、困った時に入ってみてはいかがという便利な立地にあるのです。ストライキや日曜祝日で多くの店が閉まっていても、このスターバックスは朝早くから開いています。

「せっかくパリに来てまでスタバ？」と思われるかもしれません。その気持ちはよくわかります。異文化にどっぷり浸ることが旅の醍醐味です。でも、たまには休まないと疲れてしまいます。

完璧なフレンチ・シックを演じ続けることに疲れた時、私たちは無意識に「故郷で見慣れたもの」を求めてしまうのかもしれません。パリに7年間住んでいた小説家・金原ひとみ先生も、スタバで原稿を書いている描写がエッセイで登場していました。

私のお気に入りはシャトレ・レ・アルの店舗。テラス席がからは教会も緑も見え、それなのに日本のカウンター席に座っているような安心感がある。パリのストリートの光景を、誰にも邪魔されずに観察することができます。

実はこの店舗、パリにある色々な場所の中でも、人間的なドラマを見るにはうってつけの場所なんです。窓の外を歩く人々だけでなく、店内のテーブルにも、様々な男女が出会い、別れていく姿を目にします。

その中には「ああ、多分今日初めて会ったんだろうな」というカップルもちらほら。どちらか一方がフランス語が拙いことが多い。真のパリジャンはデートにスターバックスを選ばないからでしょう。だからこそ、異なる文化圏で育った二人が、小さな欠乏を埋めるように出会っている光景が展開されているのです。

そんなカップルたちを見ていると、男女の仲って何だろうな、と考えてしまいます。たとえば、好きな人から連絡が来ない時。それはもちろんさみしいけれど、それは相手が連絡を必要としないほど、他のことで人生を充実させている、ということになります。それはそれでその人が幸せなのだからいいか、もう身を引いた方がいいのか……などなど。

恋愛は、程度の差はあれ依存に近いです。自分が全く求められないと、それはそれでさみしい。でも、関係性の究極系は「お互いがいなくても満足して生きていける」状態なのではないかと思っています。人生に満足している人は、もう別に恋愛をしたがらない。心のどこかに欠乏があって、それを埋めるために男女は出会っていく。私はこのスタバの窓から、そんなことを思ったりするのです。

ちなみに、価格について一つだけ注意が必要です。価格はだいたいどこも同じだろう、と思ってしまうかもしれません。たしかに、パリ市内のほとんどのスターバックスでは、料金設定に大きな違いはありません。レシートを見ても、日本と比べると少し割高に感じる程度でしょう。しかし、パリには例外的に価格が「倍くらい」に跳ね上がっている店舗が存在します。それがGare du Nord（パリ北駅）のスターバックスです。

北駅は、ユーロスターなど国際列車が発着し、観光客が多く利用するターミナル駅。駅という特殊な立地と、駆け込みで利用する観光客が多いことを利用してか、他の店舗よりもかなり強気な価格設定になっています。北駅のようなターミナル駅の店舗を利用する際は、念のため、注文する前に一応値段を見ておくことをおすすめします。

誰にも邪魔されず、静かにコーヒーを飲みながら、パリの人間模様と自分の心の中の欠乏について、少し考えてみるのも良いかもしれません。

施設情報
■施設名：スターバックス・コーヒー ウェストフィールド店
住所：101 Rue Berger, 75001 Paris（フォーラム・デ・アル内）
電話番号：+33 1 40 28 01 70
アクセス：地下鉄（メトロ）1、4、7、11、14号線、RER A・B・D線 Châtelet-Les Halles（シャトレ・レ・アル）駅直結
営業時間：平日 7:00〜21:00、土日 8:00〜21:00（※季節により変更の可能性あり）
URL：https://www.starbucks.fr/